師匠
9話目です。
読んでくださってありがとうございます!
家の外にミシェルさんと
アリーと俺は授業をするための
場所を探して、森の中を歩いていた。
20分くらい歩くと
「よしっ、ここにしよう!」と
授業の場所を決めたらしい。
少し広めの草原のある場所だった。
「よしっ。2人とと荷物を下ろして座って〜」
と指示されたので荷物をおろして
ミシェルさんの前に座った。
「改めて、挨拶するわね!
私の名前はミシェル=ドルバール!
陽翼騎士団に在籍しているわ。
私の叔父があなたたちに
迷惑をかけたみたいね。
本当にドルバール家の一人として
謝罪するわ。
これから5年間という短い間だけど
精一杯あなたたちを鍛えるから
よろしくね!」と自己紹介された。
陽翼騎士団は、この国でも
かなり有名な騎士団だ。
そこの団員ということは
かなり優秀な人なんだろう。
一応流れからか、アリーと俺は
パチパチと拍手をした。
「私のことは師匠と呼ぶように!
では、君たちの名前と好きなことや。
嫌いなことをそして、
目標や夢を教えてくれてるかな!
まずは・・・・君から!」と
指を差されたのではい!と返事して
立ち上がった。
「マルクス=ルーデルです!
好きなことは、
のんびりすること。
嫌いなことはお母さんにお尻を叩かれることです。
目標や夢はありません!」と
自己紹介した。我ながら情けないが
母のお尻ペンペンは泣く。
痛さにプラスして羞恥で心がぼろぼろになるから
本当に嫌だ。
師匠とアリーは少し笑っていた。
自虐ネタが効いたらしい。
「なら、次はあなた!」と
今度はアリーが指を差されて立ちあがった。
「はい!アリー=エンゲルです!!
好きなことは付与術を覚えること!
嫌いなことは魚を食べることです!」
と答えた。アリーは魚が苦手だ。
野菜やら山菜やらは何でも食うのに
魚は臭いという理由で無理らしい。
「そうなんだね!2人ともこれからよろしく!
ちなみに何か質問あるかしら?」
質問返しないか
聞いて来たので。少し疑問に
思ったことを聞いた。
「はい!なぜミシェルさんじゃなくて
師匠と呼ばなきゃいけないのでしょうか?」
普通に家庭教師ならミシェルさんで
いいのになぜ師匠なんだろう?
普通に疑問だった。すると
答えは以外にシンプルだった。
「私・・・師匠と呼ばれてみたかったの!」
師匠は目をキラキラさせて答えた。
(あれ?以外に子供っぽい先生なのか?)
と思ったが口には出さなかった。
次にアリーがはい!と手を上げて質問をした。
「先生!これから5年間、私達を教えるのに
どこに住むんですか?王都から遠いですよね?」と
質問した。
これも疑問に思っていた。
ここから王都に行くのに歩いて3日、馬車なら
1日はかかる。
「それに関しては大丈夫よ〜。ここに住むから。」
と師匠は答えた。
俺とアリーは???が頭に浮かぶ。
ここに住む??家もないのにどうやって?
俺もアリーも同じことを思ったのか
2人で顔を見合わせる。
「えっ。森の中に住むんですか??」
と質問したら
「そうよ〜。だって宿代高いし。
ここに家を建てるわ。」と
またも、驚きの発言が出てきた。
「えっ??家を??ここに??立てる???」
俺とアリーは驚きで開いた口が塞がらない。
師匠はこの何も無い草原に家を建てるというのだ。
驚いている俺たちをよそに。
師匠が持っていたカバンから、斧を2つ
取り出した。
「はいこれ!渡しておくわね。」
と急に斧を渡された。
「師匠。これは??」
と斧を渡されたことに疑問を持ち
師匠に訪ねた。
「これで木を切りなさい。切った木を
私が加工して組み立てるから。」だそうだ。
「えーー!!付与術の授業じゃないんですか?」
とアリーが驚きながら質問する。
それに対して師匠は、
「これも授業の一貫よ。さぁ早く切りなさい!」
と答えたあと、木を切るように促された。
アリーはすぐに付与術を教えてもらえると
思っていたのだろう。がっかりした顔をしていた。
「とりあえず、10本分の木があれば建てれるから。
ほら!夕方までには切りなさい!」
とりあえず
俺とアリーは木を切ることになったので
草原から森の中に入り
2人で1本の木を切ることにした。
「せーーーのっ!!」
アリーと俺は斧を振りかぶり、
斧の刃先を木にぶつける。
しかし、木は硬くて少ししか
傷がつかない。
「これ、1本の木を切るのにどれだけ
かかるんだ・・・」
作業が絶対に進まないとわかってから
2人で絶望した。
とりあえず何十回か
斧を木に切りつけてみたが
木が折れる様子はない。
もう、俺もアリーもクタクタになったので
地面に座ってしまった。
「もう!何をやってるのかしら?」と
師匠がやってきた。
「師匠。これは、7歳のぼくらの力では
切れません。」と諦めの声で言った。
もう、体力もヘトヘトだ。
こんなの無理だろと思った。
「なんで、力で切ってるのよ。付与術で
切れば楽勝じゃない。」と師匠は
何を言ってるのやらという雰囲気で言ってきた。
確かに付与術は試してないな。
だが、木を切るための付与術を知らない。
アリーの顔を見ても首を横に振って
知らない雰囲気だ。
「え、どうすればいいんですか?」
また、師匠に質問する。
「自分たちで考えなさい。
あなたたちの両親からは、
木を切るための付与術を覚えていることは
聞いてるわよ。」と言われた。
(そんな付与術あったか?)
俺とアリーは考えた。その間に
師匠はさっきいた草原に戻っていた。
2人は考える、するとアリーが
「あっ!!!!」と何か
閃いたらしい。
「もしかして!創造付与のことじゃない?」
とアリーが言ってきた。
「え?創造付与??木を切るための
付与術じゃないじゃん。」
創造付与は物の形を変える付与だ。
ちなみに粘土をこねて遊ぶと
物が変形するイメージを覚えて。
自然と使えるようになる簡単な付与術だ。
「だから!木を変形させるの!切りやすく
細くするの!」アリーは創造付与を使う意味を
説明した。
なるほど。それなら確かに木を切りやすくできる。
アリーが試しにやってみる。
「創造付与!!」と木の根本付近に
付与術をかける。
アリーはうーーん!!!と
力いっぱい木に付与術をかける。
顔が真っ赤だ。だがさっきの木の
半分くらいの細さになった。
「うーーーん!!!っ・・・
はぁっはぁっ。かなり疲れるけど、
これで木を切りやすくなったんじゃないかな!?
マルクス!切ってみて!」と
顔はかなりの汗だらけだが笑顔のアリー。
俺は力いっぱい斧を木の根本付近に
斧を切りつける。10回くらい
斧を切りつけたところで
切りつけた側に木が傾いてきた。
「マルクス!もうすぐ木が切れそうだよ!
頑張って!」と
ヘトヘトのアリーは休憩しながら
応援してくれる。
「そーりゃっ!!!」と
斧を勢いよく切りつけた。
すると、ミシミシっと音がし出した。
「マルクス!倒れそう!離れて!」
アリーの声に反応して木から離れる。
木はミシミシっと折れて
周りの木に当たりながらドーンっ!!
と音を響かせて倒れた。
「やったー!!マルクス!
やっと一本倒れたね!」
とさっきのヘトヘトのアリーは
どこかに消えて元気に喜んでる。
「あぁ。これなら木を10本。夕方までに
倒せそうだね。」
師匠に言われたことに、最初は
絶望していたが少しだけ希望が見えた。
木に創造付与をかけるのは
かなり疲れるので、交代で掛け合おうという
提案をして、次の木を切ることにした。
読んでくださってありがとうございます。