家庭教師
魔獣に襲われた事件から1ヶ月が経った。
俺はあの日から3日で、お医者さんに
「もう、大丈夫だよ。薬も必要ない。」
と言われたので早々に日常に戻り
アリーと遊ぶ日々を送っていた。
だが、そんなに日常も今日で終わる。
先月、ガイアさんが言っていた。
姪及び家庭教師の先生が来るからだ。
正直、いつもぼんやりと見ていた青空が
灰色に見える気がする。
うちの親は最低限の付与術を習得してからは、
前みたいにガミガミと言わなくなったので
ほとんど、ぼんやり空を見たり
アリーと遊んだりしていたのに
そんなのんびりとした日々が
終わるのかと思うとテンションがガタ落ちした。
「ふぁ〜。」あくびをしながら遊べなくなる
ギリギリまでのんびりしていたら
遠くから、赤い髪を揺らしながら
あと何故かわからないけど大きなリュックを
背負っている少女が俺の家の前を
走っているのが見える。
「おーっす!マルクス!またのんびりしてるね!」
アリーだ。相変わらず元気な声だ。
こっちはテンションガタ落ちなのに。
「おーっす。アリー。そんな走ってきてどうしたの?
あとそのでかい荷物は、なに???」
と走ってきた理由をわかりながらも聞いた。
「なんでって!家庭教師の先生が来たんだよ!
だからマルクスに教えに来たんだよー!
あと、この荷物なんでかわからないけど
お父さんから持たされたの!早く降りておいで!」
だそうだ。
俺が思っていたのと少し違った。
もう、家庭教師が来たのか。
あと、でかい荷物??よくわからないけど。
「すぅ〜っ。はぁ〜〜〜〜。」
と深呼吸して長い溜息を吐いた。
(もう、のんびりできないのか。)と
心の中で嘆き、重いお尻を上げて
家の階段を降りて、外に出た。
ドアを開けるとアリーが目をキラキラさせて
ドアの前に立っていた。
「ほら、マルクス!家の外の道を見てみて!
先生が来てるのが見えるよ!」
と興奮した様子でアリーが先生の居場所を
教えてくれる。
道の外を出てみると。
フードで顔はわからないが
白いローブを全身に纏った人が
この家に向かって歩いて来ていた。
あと、背中には大きなリュックを背負っていた。
「ほら!あれが先生だよ!」
と相変わらず目がキラキラなアリー。
そしてげんなりした顔の俺。
白いローブを身に纏った人が
少しずつ近づいてきて俺たちの
目の前についた。
先生らしい人がフードを外して
「やぁ!君がマルクスくんかい??」
と凛とした声で名前を呼ばれた。
「はい。マルクス=ルーデルです。」
と挨拶をして、先生の姿をしっかりと
目に捉えた。
きれいな金髪の髪でサラサラとした
髪質に緑の大きくて切れ長の目は
大人かつ凛としたクールな印象だ。
顔立ちはかなりの美人だ。
鼻筋も、すっと通っていて
本当に綺麗という言葉が似合うような姿だった。
少し見惚れてしまった。
「すっごい!美人さんだよね!!
こんなきれいな家庭教師が来てくれて
嬉しいよ!!」アリーが隣ではしゃいでいる。
「私の名前はミシェル=ドルバールだよ。
これからよろしくね。」とミシェルさんが
自己紹介したあと握手を交わした。
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
心に思ってもいない言葉で挨拶をした。
「ちなみにご両親はどちらに?
挨拶をしたいのだが。」
と聞かれたので
「家で、お茶を作ってます。すぐに呼びますね。」
と返事して、家の庭に招き入れた。
アリーは外で待っとくらしい。
その後は父と母と俺とミシェルさんで
家の中で30分くらい話しをしたあと。
「ご両親と大事な話しをするから。
君は外で待っていてもらえるかな?」
と家の外でアリーと待ったあと。
15分くらいして、ミシェル先生が
両親に挨拶しながら外に出てきた。
あと両親からはなぜか、アリーが
持っているでかいカバンと
同じサイズのリュックを父から持たされた。
「頑張れよ。」と応援する父
少し涙目で言っていて
何故、そんな顔をしているのだろう??
ちなみにアリーの両親には
挨拶を既に終わらせているらしい。
その後はすぐに授業を
始めることなった。
読んでくださってありがとうございます。
これから話しを上げていくのでがんばります。
感想もお待ちしてます。