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応用

「新人戦代表の方は、放課後に特訓を

行います!夕方まで残ってください!」

ルメリ先生が朝の出欠確認後、

みんなに、ハキハキと話す。

もう、1ヶ月も切っているので

授業だけじゃなく放課後も特訓を行うようだ。


「それでは、最初の授業は実技場

に向かいましょう。

今日は、略式付与術の応用版です。」

と実技場に向かうことになった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「それでは、略式付与術の応用を行います!!

一人一人ペアを作ってください!」

と指示が出る。


「アリーさん!一緒にやりましょう!」

ミアが、アリーに話しかける。

「うん!やろう!」

アリーも承諾したようだ。 


普通にしてれば美少女同士が

話しているように見えるのに

ミアの本性を知っているから怖い。


(俺も相手を探さなきゃな。)

周りを見渡すと、かなりのペアができている。


「マルクスくん僕とペアを組まないかい?」

フィルが話しかけてきた。


「俺はいいけど、リディはいいのか?」

フィルのことが大好きなリディからしたら

俺がフィルを取ったように見えそうで恐ろしい。


「大丈夫さ、あそこで

クラスメイトに話しかけられてるから。」

とフィルが指差した方向を見ると

クラスの女子がリディに話しかけている。


「リディアリナ王女!この機会ですし

フィリオルド王子とばかりじゃなく

私とペアを組みましょう!!」


「いいえ!私と組んでくださいまし!!」


「いいえ!リディ様のために私が尽くします!

どうか私とペアと!!」

とリディが多方面から囲まれている。


「い、いえ。私はお兄様と・・・」

とリディがこっちを見てきた。


「たまには、違う人としなさい。」

フィルは、リディに手を振りながら

ペアになるのを拒む。


「そ・・・・そんな!お兄様!!!」

リディの顔が青ざめる。

この世の終わりみたいな顔をしている。


(・・・お兄さんのこと大好き過ぎだろ。)


「・・・本当にいいのか?俺と組んで。」

フィルに確認する。


「いいんだよ。リディも少しは

周りと交流を持たないとね。」

と微笑む。


「・・そうは、言っても・・・」

リディが、俺を睨む。

あとで会うのが恐ろしい。


それから、なんやかんやありながらも

全員ペアを作ることができた。


「みなさん!ペアができましたか?

今日は、略式付与術を自分の後ろに

作ってください。使う付与術は、なんでも構いません!」と指示が出る。


「付与術をする人としない人に分かれてください。

しない人は、頭に思い浮かべたものを

付与術を行っている人に伝えてください。

付与術をする人は、言われたものや

形を自分の後ろで作ってください!」

と言われたのでやってみることにする。


最初はフィルが付与術を行い。

俺が指示を出すことになった。

 「・・・なら、鳥を作ってくれ。」

と指示を出す。

「わかった。水付与。重力付与。」

水の固まりを背中で作り、浮かせる。

そして、どんどん変形させていく。


「どうだい?」

「うーん。鳥っぽい何かだなぁ。」


周りのペアも、ぐにゃぐにゃで

何の形を作りたいのか分かりにくい。


「みなさん!付与術はイメージで

形を作れることは、この前覚えましたよね!

ですが、視覚に頼らずにイメージのみで

作るのはかなりの集中力が必要です。

この略式付与術発動を応用して

使えるようになれば、

目で見らずに略式付与術を行えます。

この応用の利点は、騎士なら敵や魔獣を見ながら

付与術を行えるので、隙が少なくなります。


他にも、料理をしながらパン生地をこねたり

洗濯物を干しながら濡れた洗濯物を絞ったりなど

いろんな活用方法がありますので、

ぜひ、習得してください!

これができるようになった人から

次のステップに向かいます!」

とルメリ先生がクラス全体に向かって話す。


「ふぅ、難しいな。次はマルクスくん

やってみてくれ。」

フィルが、ため息をつきながら俺と交代する。


「なら、鳥を作ってくれないか?」

俺と同じ指示を出してきた。


「わかった。水付与、重力付与。」

後ろに水を出して、浮かせる。


「・・うーん。こうか?」

頭に鳥を浮かべる。

小さい頃に見た白い鳥。

クチバシは長く、頭がボサボサで、

目がかなり大きな鳥。

俺が近づくと、どこかに飛んでいく。


「すごい!マルクスくん成功だ!!」

フィルが大声で俺に呼びかける。


「うん?」

後ろを振り向くと、

見たことのある鳥の形をした

水が浮かんでいた。


「すごいですね。マルクスくん、成功です。

どうやって行いましたか?」

ルメリ先生が俺達の傍に来て

質問する。


「えっと、見たことのある鳥を思い浮かべました。」

と返事をする。


「なるほど、見たことのあるものは

イメージがしやすいですね。

次は、見たことのないものに挑戦してみてください。例えばグリフォンとかわかりますか?

絵本で良く見る、架空の動物です。

それをイメージしてみてください。」

先生が難しい要求をする。


「・・・わかりました。」

鷲の顔、ライオンの胴体、白い翼を頭で描く。

(こうか?)

首を傾げると


「マルクスくん・・・君は合格です。」

とルメリ先生が肩に手を置く。


後ろを振り返ると

想像したグリフォンの形をした水が

浮いていた。



「すごいわ!アリーさん!かわいいのに!

応用もできるなんて!!!」

ミアの大きな声が聞こえる。


「えへへ。照れるなぁ。」

と頭の後ろを掻いてるアリーの後ろに

炎で作られた、大きな猫の顔が出来ていた。


「アリーさんも合格ですね。

マルクスくんとアリーさんは、次の

ステップに行けますね。」

ルメリ先生が頷く。


「僕も負けてられないね。マルクスくん、

できるまで付き合ってくれるかい?」


「おう。いいぞ。」



それからクラスのほとんどが

できるようになった。



一人を除いて




「はぁっ、はぁっ、なんでできませんの。」

リディが手を膝につく。


できるようになったものは、

座って眺めていた。

何回も同じことを

繰り返している。


「リディアリナ王女しばらく休みましょう。

魔力が無くなります。」 

ペアの子が心配して

背中を擦ろうとする。


「触らないで!!!

お兄様の前で出来ないなんて!!

恥よ!!!水付与!重力付与!」

息を荒げながら付与術を行う。

「早く!!指示を出しなさい!!」


「・・・ぃ、犬の形を・・」

リディに怒鳴られた子が

怯えたように指示を出す。


水が変形しだす。

だが、犬の形には全く見えない。



「・・・犬の形はできてますの?」


「・・・い、いえ。見えません。」


「っ!!なんで!!できないの!!

このままじゃ、お兄様に・・・・」

地団駄を踏み出すリディ。


「リディさん、今日はもう終わりにします。

昼休みも練習に付き合いますので

職員室に来てください。」

ルメリ先生が止める様に言う。


「・・・・・はい。」


いつもの強気なリディの姿はなく

捨てられた犬のような哀愁を漂わせるリディを

フィルは、黙って見ていた。

読んでくださってありがとうございます!

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