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付与術師だらけの世界で、頂点になります。  作者: ポンキチ
1章 少年編
4/42

魔獣

4話目です。

読んでいただいて

ありがとうございます!

全長10mくらいの、ヒルみたいな魔獣がいる。

白いヌメヌメとしたテカりのある体に、

手が2本生えていて、赤い目がギョロギョロと

動いている。


こんなのどかな森に

いるはずのない魔獣が、

「ガァァァアァォァァ!!!!」と

鼓膜が破れそうになるくらいの咆哮をして

獲物を、見つけたような目で睨みつける。

足が怯み、動揺が止まらない。


どうして?どうして?どうして?どうして?

なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?

意味のない自問自答を繰り返し

逃げるという考えが全く出てこない。

足が動かない。そう思った時、


「風付与!!!」

とアリーの声が聞こえた。


魔獣に付与術をかけたのだ。

正確には、周りの小石や泥を

ありったけ両手で掴み、

宙に舞わせ「風(付与)」をか

けたのだ。

小石や泥は、投げるよりも勢いよく、魔獣の顔に目がけて飛んでいく。


「ガァァァァっ!!!」

目を痛そうに擦る魔獣。

だが雨でぬかるんだ泥が

足についていて、さらに目に泥が入っている様子だ。

さっきの恐ろしい姿とは反対に

間抜けな様子になっている。


「マルクス逃げるよ!!!!」


アリーの声で

やっと逃げれるようになった。


2人で、雨でぬかるんだ道を全力で走る。

肺が痛くなってきたが、そんなことを思っている

場合じゃない。逃げなければ死ぬ。

そう考えていると2人の足音じゃない

音が聞こえてくる。

その音は、どんどん近くなってくる。


後ろを振り返っていないが

俺とアリーはわかっていた。

魔獣が、俺らを追い始めたのだ。


どうする?どうする?どうする!?

このままじゃアリーも、俺も死ぬ。

どうやったら二人が助かる?

何か打開策は?

必死に考えるが、7歳の俺たちには力がない。


絶望する心が、死を考え出した瞬間


「マルクス、逃げて。」

アリーが俺を逃がそうとする。

アリーが足を止めて後ろをふり返った。


「なにやってんだ!!!逃げないと死ぬぞ!!!」

俺はアリーに逃げるように促す。


だが、アリーは逃げない。

「そんなのわかってるよ!!!!!

でも、このまま逃げても追いつかれる!

そしたらマルクスも、私も死んじゃう!!!

村にまでこの魔獣が来て、

私のお母さんやお父さんまで食われてしまう!

だから!ここで誰か、足止めしなきゃならないの!」

アリーが叫ぶ、言ってることはたしかに

そうかもしれない。


「それだとお前が死んじゃう!!」


アリーは、自分が死ぬ覚悟で魔獣を

足止めするようだ。そんなことしたら、

間違いなく生きてても無事じゃすまない。 


「それもわかってる!!だから早く助けを呼んで!!自警団にすぐに伝えて!!!」

アリーは一歩も引く気がないようだ。


「任せなさい。マルクス!私は彗星騎士団に

入る女だよ!!!こんな魔獣なんか簡単に倒すわ!!だから行って!!」

とさらに強い声で叫ぶ。

だが強い声の反面、手足が震えてる。

逃げたいのを、必死に抑えてるからだ。


どうしたらいい!どうしたら!!?

打開策を必死に考えようとする。


その瞬間


道の外の、森の中から魔獣が現れた。

アリーと俺は絶望で固まる。

アリーの目の前には魔獣

もう、逃げることは不可能。

おそらくショートカットしてきたんだ。

森の中を走れるならそっちの方が

確実に早い。道を走った俺たちとじゃ天と地の差だ。


魔獣が大きな口を開ける。

アリーが食われる!!!!


その瞬間、俺はアリーを手で突き飛ばした。


迫りくる口、牙、舌、吐息

俺は体全体を食われ、丸呑みにされた。


「マルクス!!!!!!」

アリーの叫び声は俺には届かず。


魔獣が嚥下の動作を行い、腹の中に収める。

魔獣は、飲み込んだ余韻を数秒経て

アリーを見る。


次はお前だ。


そう言っている気がした。


アリーは足が震え、口も震え

先刻の勇ましい姿はなく。

非力な少女に成り果てていた。


「・・・・私も・・・・食われるのか。」

魔獣が口を開く。その光景は絶望としか

表現できなかった。


「・・・私も、すぐ行くからね。マルクス。」

そう死を覚悟した瞬間。



雷が、魔獣に落ちた。



黒い狼型の魔獣が黄色の光に包まれた後

痺れたように固まり、 魔獣が焼け焦げた。


アリーの目の前で、ドサっと倒れた。


4話目になりました。

これからも拙い小説ではありますが

話を上げていくので

感想等がありましたら

よろしくお願い致します。

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