目標を語る少女
3話目です。よろしくお願い致します。
俺とアリーが住んでいる所は、森に近い村なので
家の外の道を歩いて、現在は森の中を
歩いていた。
周りの木々や花々が、辺りにちらほらと
生えているこの道は
いつもの遊び場に向かう道だ。
「マルクス〜今日は付与術の訓練した??」
アリーが、俺の前を歩きながら聞いて来た。
「やってないよ〜。めんどいし。」
無気力な、のんびりした声で返事を返したら
「何やってんの!しっかり訓練しないと
だめじゃん!」と
少しムッとした顔、でアリーが怒り出した。
「そんな怒るなよ〜訓練しなくたって
別にいいじゃんか」と
やる気がないことを伝えると
「だめ!!マルクスはしっかり訓練して
私と、王立ドルバール付与術学園に一緒に行くの!」
とさらに怒った顔で言ってきた。
「え〜なんでそんな遠いところに俺が
行かなきゃいけないのさ〜。」
と面倒くさがった。家からも遠いし
たしか寮制度だから
学園に住んで登校しなければならない。
それも難しい試験をして、見込みがなければ
入れない。
俺たちが住む国、ジョイア王国で
一番の付与術の学校だ。
貴族のほとんどがそこに入学してるし
勉学のレベルは、かなり高い。
俺が入ったところで
どの分野でも、ついていけなさそうだ。
そんなところにアリーは、ずっと行きたがっていた。
「なんで、そんなに俺とドルバールに行きたいんだよ~。」と聞き返すと
「だから毎回言ってるじゃん!!!
私は彗星騎士団に入りたいの!」
とアリーは大きな声で答える。
彗星騎士団は
この国を守る騎士団だ。
アリーが4歳の頃に、隣町に向かうために
両親と馬車で向かっていたところ、
盗賊団に襲われたらしい。
何もかも盗まれて、命まで取られそうな状況の中、
一人の彗星騎士団の女性が、
数十人の盗賊団を無力化させたらしい。
その時の彗星騎士団の女性のかっこよさに、
憧れを抱いてしまったそうだ。
彗星騎士団はこの国でも、
特にすごい騎士団らしい。
団員のほとんどが、王立ドルバール付与術学園の
卒業生だそうだ。
そのためにアリーはドルバールに
行きたいみたいだ。
「なら、俺を連れていく理由は??」
アリーに尋ねる。
「それは、その、えっと。」
質問のせいか、動揺するアリー。
「とりあえず!マルクスは連れて行くの!!」
と強引に理由を、はぐらかされた。
なんで、こんなにやる気がないのに
連れて行こうとするのか。
アリーは、こちらを振り返る。
「今日は遊ぶのをやめて
付与術の訓練を一緒にするよ!!」と
大声を出して、遊ぶことから訓練へと変わってしまった。
「な~!!!またかよ!!最近ずっと訓練ばっかじゃん!たまには遊ぼうぜ!!」
毎回こうなるから、もううんざりだ。
釣りしたりして、のんびりしたい。
「うるさい!もう駄々こねてないで
訓練するよ!ほらっ!」と
手を引っ張られて、俺の意思が尊重されることは
なかった。
湖についた。
「ほらっ水球飛ばしをするよ!!」と
指示するアリー。
水球飛ばしとは、文字通り
空気中に水を付与して、球体の形を作り
遠くまで飛ばす訓練だ。
このときに水付与と創造付与と風付与を
を順番に行わなければならない。
それも、他の付与術を維持しながら
しながらだ。
ドルバールの試験では、この水球飛ばしと
筆記の試験と面接を行うらしい。
そのため、毎回ここで水球飛ばしの
訓練を一緒にさせられている。
こんなの試験になるのかよ。
と思ってしまうが
どうやら付与術の維持能力と
付与術発動の速さと魔力量の多さを
ここで測定しているらしい。
なので、ほとんどの付与術の学校の試験では、
この水球飛ばしが行われている。
「ほらマルクス!せーので一緒に飛ばすよ!」
と訓練を促す。ほぼ強制的な訓練をしなければ
ならないので、ため息をつきながら水球飛ばしの
準備を行う。
「ほらいくよ!せ~の!」
「「水付与!!」」で水を、空気中に出す。
その後に「「創造付与!!」」で
球体をイメージして、水球を作り上げる。
2つの水球が出来上がって、俺のは普通の水球、
アリーのは、上方向に回転している、水球を作っていた。
「マルクス!せ~ので飛ばすよ!!せ~の!!」と
合図が出たので「「風付与!!」」で
水球に風を当てて、湖に向かって遠くまで飛ばす。
2つの水球は、勢いよく飛んでいく。
空中で弧を描いていく。俺の水球も
アリーの水球も、一緒に並んで飛んでいく。
だが、途中から俺の水球が落ちだして
そして、俺の水球は水面に落ちて飛沫を上げた。
アリーの水球は、俺のが落ちてから10秒くらい遅く。
落上にしている
俺の水球が落ちたところよりも
20mくらい遠くに落ちて飛沫をあげた。
「いえーーい!私の勝ち!!」
と喜ぶアリー。
「はいはい。すごいすごい。」と
棒読みでアリーを称賛する。
「アリーもしかして水球を縦回転にして
遠くに飛ばすようにしたの??」と
勝負中に思った、疑問を聞いた。
「そうだよ!創造付与のときに
ただの水球を作るんじゃなくて
回転する水球を作るようにしたの!!
そしたら遠くに飛ぶようになったの!
すごくない!!?」と嬉しそうに
満面の笑みで解説してきた。
「アリーはすごいなぁ!さドルバールの試験受かるよ、
きっと。」と素直に褒めることにした。
本当に真剣に試験に合格しようとする
意思が伝わったからだ。
素直に褒めると
「すごいでしょ!マルクスにも
教えてあげる!!」と
訓練を続行することになってしまい、
やべっ!!めんどくさいことになったと
後悔した。
上からポツポツと水が落ちてきた。
「何だ??」と上を見た瞬間、雨が降り出していた。
「えー!雨が振ってきた!!やばいマルクス
帰ろう!」と帰宅の提案が来たので
やった!訓練せずに帰れると、内心喜びながら
「そうだな。帰るか〜」と内心を
バレないようにいつも通りを装って
返事を返した。
雨を防ぐ物がないので、
急いで帰ろうとした瞬間。
「ガァァぁぁぁぁぁぁ!」
人の声じゃない声が聞こえた。
アリーと俺は足が止まった。
雷が落ちだすくらい
ひどい雨の中で見えた
その人じゃないものは
俺たちを、絶望の淵に立たせた。
魔獣が目の前にいた。
休みの日にぼちぼち上げて行きます。
これからもこの小説を読んでもらえるように
頑張りますのでお願い致します。