試験 中編
デール先生に連れられて、
10分ほど歩くと湖についた。
湖の向こう側は、壁になっていた。
なぜ、学園に湖があるのかわからないが、
今は、試験に集中することにした。
「それでは、水球飛ばしの試験を説明するね。
水付与で出しながら、創造付与で
球形を作り、風付与で飛ばす。
簡単でしょ?
それでは、ここからは
挙手制で早く手を上げた人から
順に試験を受けれるよ!
我こそはと言う人は、手を挙げて!」
と説明された。
(え??挙手制なの?それも、デール先生が一人で見るの?効率悪くね?)
と思うが、試験だし仕方ない。
だが、1番に手を上げたくない。
1番はきつい。そう考えていると
「はいはーい!私する!」と
真っ先に、となりにいたアリーが手を上げていた。
アリーと同時に手を上げた人が、
他に2名いる。
「うーん。そうだね~。なら、君から!
金髪の君!」
と指を差されたのは、アリーじゃなかった。
子供たちの集団から出てきたのは、
女の子だった。
金髪のサラサラの
髪が背中まで伸びている。
前髪は青色の髪留めで止めている。
はっきりとした青色の目で、気の強そうな
印象を受ける。
服装は、白のドレスで
たくさんのフリルに、金の装飾が入っていた。
「お名前をどうぞ。」
デール先生が名前を聞く。
「リディアリナ=ジョイアですわ。」
「あ〜。あなたが・・・」
デール先生が名前を聞いて、少し固まる。
「わかりました!
それでは、試験を始めます。どうぞ!」
「水付与!」
と水を真上に出す。
「創造付与!」
水を球形にしていく。
水球に波がなく。ガラス玉みたいになった。
「風付与!!」
と女の子が突風を出す。
かなり強い風だ。
水球は、遠くに飛んでいく。
なかなか水球が落ちない。
水球は、徐々に落ちて行って
壁と水面の間に落ちた。
かなりの好成績だと思う。
「はい!合格です!!あちらでお待ち下さい。」
なぜかさっきより丁寧な口調になる。
デール先生は、合格したあと。
なぜか女の子にところに行っていた。
「先ほどはご無礼を、本当に失礼いたしました。」
「いいですわ。学園内では地位は関係ないですもの。」
「そう言っていただけると幸いです。」
話してる内容はわからないが、
なんか謝っているみたいだ。
デール先生が戻ってきた。
「それでは、次の方!」
と試験を再開した。
「はい!はい!やる!やりまーす!」
とアリーが今度は、飛び跳ねている。
「なら、次は君!赤髪の子!」
「はーい!」と子供たちの集団を掻き分けていく。
「それでは、名前をどうぞ!」
「アリー=エンゲルです!!」
と大声で自己紹介する。
「それでは、始めてください!どうぞ!」
「水付与!」で水を出して
「創造付与!」で水球を作る。
かなり大きい。
さっきの金髪の女の子より一回りでかい。
「風付与!!そーーれっ!!!」
と風を竜巻のようにして水球にぶつける。
水球が勢いよく飛んでいく。
もはや砲弾だ。
水球は壁の中央より下に、ばしゃん!!と当たって弾けた。
「うん!文句なしの合格だよ!あっちで
待っててね。」とアリーは
合格をもらい、合格者の場所で
待っておくように言われる。
「マルクスー!こっちで待ってるよ!」
と俺に声を掛けるアリー。
嬉しいけど、
お願いだから大声で呼ばないで欲しい。
「・・・あなた、やりますわね。」
「へへーん!すごいでしょ!私、アリー!
よろしく!」
「私は、リディアリナ=ジョイアですわ。
リディと呼んでくださいまし。」
と金髪の女の子とアリーが喋っている。
「さぁ次は!誰行こうか!」
とデール先生が見渡す。
アリー以外に手を上げていた、もう一人だ。
男の子だ。
金髪のマッシュに
青色のはっきりした目に優しい瞳、
服装は、白と金色の装飾が入った
騎士のような服をしていた。
身長は、俺と同じくらいか。
「あなたは・・・一応、お名前をを伺っても」
「フィリオルド=ジョイアです。」
うん?さっきの金髪の女の子と
一緒の家名??双子なのか??
「それでは、あなたもどうぞ。」
「水付与!」と水が高く勢いよく、舞い上がる。
「創造付与!」
水球を作る、アリーのよりも大きい。
「風付与!」で強烈な突風を起こし
水球を飛ばしていく。
子どもたちの周りにまで、風が吹く。
水球は、かなり高く飛んでいく。
徐々に落ち始めて、壁の中央に当たった。
「はい、あなたも合格です。あちらで
お待ち下さい。」
デール先生がちょいちょい口調が
丁寧になるのは何故だろうか?
合格を、受けた。金髪の少年は、
アリーと金髪の女の子の元に向かう。
「君!すごいね!私はアリー!よろしく!」
とアリーが褒めている。
「僕は、フィリオルド=ジョイア。フィルと
呼んでくれると嬉しいな。よろしく。
君もすごかったよ。水の砲弾のようだった。」
と金髪の男の子が褒め返す。
「お兄様なら当然ですわ。」
となぜか偉そうにしている。
ていうか、やっぱり兄弟なのか。
「さあっ!さあっ!次は、誰がするかい!
手を上げて!」
そっからは、手を挙げる人が多くなった。
合格!合格!合格!と次々と
合格者が、出ていく。
「はい、君の名前は?」
「メルト=ダリヤです。」
「それでは、ダリヤさんどうぞ!」
と女の子が水球飛ばしを、するみたいだ。
気が弱そうな子だ。
黒髪に三つ編みでメガネをかけている。
背も低く。黒のワンピースを着ている。
「み、水付与!!」
水を出す。かなり少ない。
「そ、創造付与!」
水球の形が悪くい。かなり波が立っている。
ヨボヨボと行ったほうが正しい。
「か、風付与!」と風が吹く。
水球は、飛ばずに女の子の
頭に落ちる。
「不合格!!帰りは気を付けてね。」
この水球飛ばしで初の不合格者が
出てしまった。
「あ、あの、もう一度だけ、もう一度だけ、
やらせてください!いつもは、こんなんじゃないんです!!」
とずぶ濡れのまま、女の子が
デール先生に頼み込む。
「・・・それは、できない。
試験は、1年に1度だ。
早く帰りなさい、風邪を引くよ。」
と残酷にも、少女の願いは
聞き入れられることはなかった。
俯いて帰る女の子、 顔は涙で溢れていた。
「さぁ、次!試験が終わらないよ!
早く手を上げて!」
と試験をするように促すデール先生。
そこから、負の連鎖が続いた。
不合格!不合格!不合格!不合格!不合格!
とかなりの不合格者が出てしまった。
さっきの女の子を目の当たりにして、
みんなが付与術に集中できていない。
付与術は、想像力が武器だと
師匠が前に言っていた。
だが、今回は失敗の想像が
みんなの脳内に植え付けられてしまった。
たくさんの子どもが学園を去っていく。
10人に一人くらいは、合格していくが、
かなりの子どもがいなくなった。
そして、俺一人になった。
「マルクスー!!頑張れ〜!」
とアリーが応援してくれる。
俺は、湖の前に立つ。
「君の名前は?」
「マルクス=ルーデルです。」
「OK、試験どうぞ!」
試験の合図が出た。
だが、俺は付与術を出さなかった。
「あの子、不合格ね。」
金髪の女の子が口を開く。
「な、何でそんな事を言うのよ!!」
アリーが噛みつく。
「ここまで、手を挙げなかった人は勇気がありませんわ。試験の不合格者が出て、不安になったのでしょう?証拠に、固まってるじゃない。付与術は、持論だけれど魔力以外にも精神力も必要だと思いますの。」と考察と持論を披露する。
確かに正論だ。付与術は、想像力が武器になる。
しかし、精神がしっかりしてないと
想像力は、失敗の想像に負ける。
「・・・・なーんだ!なら、マルクスは
合格するね!!」
アリーは笑顔で、金髪の女の子に言う。
「・・・あなた、話を聞いてた?」
リディが、眉間にしわを寄せる。
「うん!聞いてるよ!そして、マルクスの
ことを、これぽーっちもわかっていないことが
わかったの!あなたの持論というか、
論点ずれてるよ。」
と笑顔で言い返すアリー。
「は??どこが??」
自分は正しいことを言ったはずなのに
と驚いた顔をする。
「マルクスはねー。今、固まってるんじゃなくて
考えてるの。どうやって合格するか。
見てて、今から面白いことをするよ!」
アリーは、ニコニコして、リディに言う。
「水付与!」
水を上に出す。サイズは並だ。
「創造付与!!!」で
水球を作る。
ただし、水球に高速の
バックスピンをかける。
バックスピンさせた水球が
マルクスの前に落ちる。
「風付与!!」で突風を出す。
水球の真ん中より下に風を当てる。
水球が、真っ直ぐに飛んでいく。
そして、途中から浮かび上がった。
「「「「「ええええええええ!!!!!!!」」」」」
ありえない光景に
先生も、合格した子供たちも
目から飛び出るほど驚いていて叫んでいる。
水球は、浮き上がったあと、
緩やかにアーチを描いて、 落ちていった。
そして壁の下ぐらいに当たって弾けた。
「うん!君も合格!驚いたね!
面白い付与術だ!」
デール先生が褒めてくれる。
「ありがとうございます。」
と挨拶をして、合格者の所に向かう。
「ほらね、面白いの見れたでしょ??」
とリディに笑顔を向ける。
「・・・ふん!少し驚きましたが、
お兄様の方がすごいですわ。」
と強がるリディ。
「本当に面白いのが見れたね。」
と感心するフィル。
「マルクスー!いえい!!さすが!!」
とアリーがハイタッチを求める。
「ありがとう。前のアリーのアレンジ
をしてみたら上手くいったよ。」
とハイタッチに応えた。
こうして、水球飛ばしの試験が終わった。
読んでくださってありがとうございます!!
数時間後にもう1話出します。




