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自信

2章がスタートです!

これからもよろしくお願い致します。

朝靄がまだ、晴れていない

早朝に目を覚ました。

隣の布団で寝ているアリーを

揺すって起こす。

「アリー、時間だぞ。起きろ〜。」

「・・・・ん〜っ。・・もうそんな時間?」

寝ぼけ眼で、聞いてくる。

「そうだぞ、修行の時間だ。」

「・・・ふぁ〜朝ご飯は??」

「いつも通り、ランニングするついでに木の実を

食べよう。」

「わかった。なら顔を洗って。」

「おう、そっちもよろしく。」


俺達は、水付与で水を出し、

創造付与で水球を作り、

重力付与で浮かせて、顔を洗う。

これを交代で行う。


「よし、なら走るか。」 

「うん!」

今から、2時間のランニングがスタートだ。


タッタッタッタッタッタと走る。


「マルクスー。あと2週間後だね。」

「そうだな。なんか、長いようであっという間だったな。」

走りながら、アリーの言葉に返事をした。


俺たちが話をしているのは、

王立ドルバール付与術学園試験の話だ。


あの軍隊狼とゴブリンに襲われた日から、

5ヶ月と少し経った。


あの日の後、俺達は師匠が立てた家に帰った。


両親に会いたいとも思ったが、

やっぱり修行することが、師匠のためでも

両親のためでもあり、俺のためでもあると

思った。アリーも同じ考えだったようで

ベッドの師匠に挨拶をした後、

師匠の家に帰ることにした。


それからが、少し大変だった。


炊事や洗濯などの日常生活は、

ずっと3人で交代しながらやっていたので

どうにかなったが、自分たちで

付与術の勉強をするのが大変だった。

わからないことがあると

医者の家にいる師匠の所に行って

聞いて、実践するという生活が続いた。 


半年後にドルバール付与術学園の

受験が迫って来ていたのも、

中々にストレスだった。


俺達は、合格できるのか??

貴族たちと比べて、どのくらい実力が

近づいたのか??

月日が過ぎるたびに、不安が大きくなった。


だが、不安になってても仕方がないと

なんとか心を切り替えて、修行に打ち込んだ。


そして、あと2週間。もう受験まで時間がない。

少し不安に駆られながら

走り続けて1時間くらい経った。


いつもくる。木の実の林が見えてきた。

俺達は一旦、足を休めて木の実を食べる。


「この木の実、美味しいよね〜。

いくらでも食べれちゃう。」

と夢中で食べるアリー。 

にこにこ笑ってて、満足そうだ。


結構な頻度でこの木の実を食べてるのに 

飽きが来ないのは、不思議だ。

見た目はオレンジ色で、手で皮を剥くと

8個に分かれた実が入っている。

最初見た時は、前の世界にあった

みかんか?と

思ったけど味が全然違う。

蜂蜜みたいな甘さと酸味を感じる。


(違う世界に行くと見たことのない実があるんだな〜)とくらいに思って、俺も木の実をかじる。 


木の実を食べ終わった後は、

また一時間ランニングして、

その後は、アリーと剣と付与術での

実戦訓練をしたあと、師匠のお見舞いに行った。


ガチャッ!!

「ヤッホー!師匠!元気してますか??」と 

勢いよくドアを開けるアリー。 

ドアを開けた先には、

「アリーさんとマルクスくん。いらっしゃい。」

と返事をする師匠とベッドの横に

ガイアさんがいた。 


「ガイアさん!こんにちは!」 

「こんにちは〜」とアリーの後に挨拶する。

「おや、アリーさんとマルクスくん、こんにちは。

また会ったね、1ヶ月ぶりかな?」 

ガイアさんも挨拶に返事をしてくれる。


ガイアさんは、

師匠が、ここにいるようになってからは、

一月に一回は、お見舞いに来ている。


「そうですね。1ヶ月ぶりくらいですね。

今日も師匠のお見舞いですか?」 

「そうなんだが、今日は別の用事があってね。」

ガイアさんが、革の鞄から紙を2枚出す。

「これを君たちに。」

紙を受け取ると、その紙に書いてあったのは、


「っ!!これは!!ドルバール付与術学園の

試験の案内だ!!!!」

アリーが目が飛び出そうなくらい、驚いている。


「もうすぐ、試験だから直接渡しに来たんだ。

将来有望な騎士になる二人に。」

とにこやかに、お世辞を言ってくれる。

 

「・・・・二人とも、こっちに来て。」 

師匠が近くに来るように、手招きする。

言われた通り近くに来た。


「今まで、よく頑張ったな。 

君たちなら間違いなく、受かるよ。頑張れ!!」  

と頭を撫でてくる。


その瞬間、不安な心が消えた。

こんなにすごい人から、太鼓判を押して

もらったのだ。自信が湧かないわけがない。


「「はい!頑張ります!!」」

声を揃えて返事をした。


「まずは、両親に挨拶をしてくるといい。

成長した姿を見せてきなさい。」

師匠に家に帰るように促された。


俺とアリーは、はい!と返事をして、

「「失礼しました!」」

と師匠とガイアさんがいる

部屋から出て、両親のところに

向かうことにした。 

久々に会うから楽しみだ。




俺たちが部屋を出たあと

「本当に2人は合格しそうなのか??」

ガイアさんが心配そうに、師匠に尋ねた。


「・・・はあ〜。」

その言葉に呆れたのか、溜息をついた


「・・・・伯父様。しそうじゃなくて、間違いなく合格します。私の、自慢の弟子達ですから。」

ガイアさんの質問に

自信に満ち溢れた目で、返事を返した。


「ドルバール付与術学園を首席で卒業した

お前が言うなら間違いなさそうだ。」


「ええ、そうですよ。私を信じてください。」 

とドヤ顔を伯父に見せつけた。


「何を信じろと!いつの間にか

勝手に騎士団を抜けおって!」

と怒鳴るガイアさん。


「・・・そ、それには、事情が。」

と小さくなる師匠。


その部屋には、大人の騎士ではなく、

親族同士のやりとりをしていたことを


俺とアリーは知る由もなかった。





2章が始まりました!

これからも読んでもらえると嬉しいです!


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