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付与術師だらけの世界で、頂点になります。  作者: ポンキチ
1章 少年編
15/42

できるとこまで。

15話目です!

呼んでくださり、ありがとうございます。

次の日の朝だ。俺は朝早く起きて

2階の窓の外を眺めていた。

父から持たされたリュックに

携帯用の布団と、枕が入っていた。

なので寝床に困ることはなかった。


あとは、筆ペンとか紙と着替えとかだ。

あとは何も入っていなかった。



あの夜から、師匠の家の中の認証付与は

消えて、自分でドアも窓も開けれるようになった。

だが、指輪でこの家から100m以上離れることが

できなくなった。 


「トホホホ」

こんな古い嘆き方をするくらいには、

俺はテンションがガタ落ちしていた。 


だが、それとは別になぜか頭から

木を10本切ったあと

アリーとした、震えながらのハイタッチが

頭にこびりついていた。

あのときの爽やかな気持ちが

まだ、心に余韻として残っていた。


「おーい!みんな起きて!

あ、おはよう!マルクスくん!アリーさんを起こしてくれる?

起こしたらこっちに来て!」

と朝早くから、外で大声を出す師匠。


「おはようございます。わかりました!」



幸せそうに寝ているアリーを起こさねば

「起きて!師匠がよん呼んでるよ」

揺すって起こす。

「ムニャムニャ。う・・・・・う〜〜〜ん。

どうしたの??マルクス?」

眠そうに目を擦りながら起きたようだ。

「師匠が呼んでるから、起こした。

早く来てくれだって」

「そっか。わかった〜。」

いつもの元気さはなく。

のそり、のそり準備する。


パジャマを脱ぎ出し・・・・

 

「ちょっと!アリー!俺!いる!」


あまりにも慌てすぎて、変な言葉になってしまった。


「う〜ん??」とまだ頭が働いていない

アリーは首を傾げたあと、目が見開き

事態を把握する。顔が真っ赤だ。


「マルクス!!!出ていってー!!!」

俺は、アリーに袖を捕まれ部屋を追い出された。

自分で脱ぎ出したくせに。と思うが仕方ない。 

俺は一足早く、外に出てアリーを待つことにした。


「おはようございます。」と師匠に

挨拶をする。

「おはよう。マルクス君って早起きだね。」

昔からあまり眠るのが好きじゃないから

早く起きるようにしている。


「あまり寝れなくて。」

と無難に返しておく。


「おはようございます!師匠!!」 と


いつもの元気なアリーが服を着替えて 

外に出てきた。


「おはよう、アリーさん。よく眠れた?」

 

「はい。たくさん寝ちゃいました〜。」

と照れながら答える。


「朝早くにごめんね。早速だけど君たちに

話さなければならないことがあるの。」

と真剣な顔つきで話を始めた師匠。

「何ですか?」と相づちを打っておく。

「すぅ~はぁ〜。」

師匠は深呼吸をする。

「まず、君たちを騙してすまない。

私は、陽翼の騎士団には入っていないんだ。」


俺とアリーは頭に?が思い浮かんだ。


「えっ?だって自己紹介で陽翼の騎士団にって・・」  アリーは首を傾げる。


「正確には所属していたという方が正しい。私は、夢があるんだ。それを叶えるために 現在は退団している。」


「その夢ってのはなんですか?」

師匠の夢ってなんだろうか? 

お嫁さんとかなのか?冗談はさておいて

答えが気になる。


「私の騎士団を作りたいんだ。」


この国で騎士団を作るには、王に認められなければ

ならない。そのためには実績が、必要らしい。

強い魔獣を倒したとか。たくさんの人を

救ったとか。強い騎士を育成するなどだ。


「私は、君たちにただ教えるわけじゃない。

実績のために教える。そのために来たんだ。

君たちが有名な騎士になれば、私の名が上がる。

純粋に君たちに付与術を教えたくて来たわけじゃ

ないんだ。嘘をついて本当にすまない。」と

深々と、頭を下げる。

その姿を見て驚きはしなかった。


確かに、おかしな話だった。

仕事が忙しい騎士が、こんな村に

それも、たった子供2人のために付与術を教えに来る。ありえない話だ。

師匠の話を聞いて、腑に落ちた。


「どうして、正直に話そうと思ったんですか?」

アリーは下げた頭を上げない師匠に聞く。


「君たちが、昨日10本の木を切ってくれたからだ。正直、できないだろうと思っていた。

けれど真剣に取り組む、君たちの姿を見て

心が痛くなったんだ。あんなに一生懸命に

私が言ったことを成し遂げようとしてくれてるのに、私は私のために嘘をつこうとしたことが許せなかった。」

謝罪かのように、胸中を独白する師匠。

こんな真面目な人だからこそ。

内心を痛めたのだろう。


「だから、私も決めたんだ。

私も君たちを育てるのに一生懸命になろうって。

そのためには、まず嘘をついたことを

謝るところからかなって。本当にすまない。」

と再度、頭を下げられる。


俺とアリーは、先生を見る。

何か言わなければ、そう思った。

「師匠、顔を上げてください。」

アリーが先に口を開いた。


「私、家庭教師が来るって聞いて

とてもうれしかったんです。

そして私達に来た家庭教師は

美人だし、すごい付与術使うし。

何でも知ってるし。

あなたに、私は付与術を教わりたい!

だから、ぜひ教えください!

実績でも何でも師匠の力になるなら

私、頑張ります!」

アリーは大声で話した後

ニコっと笑った。


「師匠、正直に言えばやる気はありませんでした。

ドルバールなんて行かなくてもいいと思っていました。でも、昨日木を10本切ったあと

アリーとハイタッチしたんです。

それも魔力欠乏症で震えながら。

そのとき、今までに感じたことのない。

爽やかな気持ちを感じることができました。

付与術の訓練を頑張れば、

また、あの気持ちを感じれるなら

訓練も悪くないなと思いました。

できるところまで頑張りたいです。

俺にも、付与術を教えてください。」


この人は、すごい人だ。

それを昨日思う存分知った。

この人について行けば、前の世界では

感じたことのないものに出会えるかもしれない。

そんな根拠もない直感だが

少しだけワクワクしていた。

ワクワクするなんて、いつぶりだろうか?


「うん。二人ともありがとう。これから頑張るね。」

師匠の目には涙が出ていた。


数分経って、師匠も落ち着いた様子だ。

「さっそく。本格的に修行を始めたいんだけど、

君たちの現状をまず先に知ってもらいたくて。

君たちはドルバールを目指す。で合ってるよね?

だとしたら今の君たちは、かなり遅れていると

自覚して欲しい。このままでは絶対に合格できない。」と

いきなり結論から、話を始める。


「ドルバールは貴族だらけの学校だ。

一般の人は、入るのがかなり難しい。付与術の訓練で、

家庭教師がいない時点で遅れを取っているからだ。

合格するためには、

これから5年間、死にもの狂いで付与術の訓練を

しなければならない。これから私は必死に

教えるから、二人ともついてきて欲しい。」


さっきのバツが悪そうな顔と違い、

真剣な顔をしていた。

本気さが伝わり、俺もアリーにも緊張が走る。


俺はアリーを見る。アリーもこっちを見ていた。

お互い見合わせたあと、師匠を見てこう答えた。

「「はい!!」」

「よし!いい返事!

なら、修行を始めるよ!!」

こうして、俺らの修行が始まった。


〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜

そして、時は流れる。話は4年半後に移る。

読んでくださって

ありがとうございます。


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