表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/83

075 リザードマン達を治療した

「……アイ。さっきのリザードマン達だが、助けることはできないか?」


 クロサクラを空き地に置いて宿に戻る時、ポチがそんなことを言った。

 ポチはリザードマン(というかシュルに)恩義を感じているみたいだ。

 まあ、俺としてもこのままリザードマンを見捨てるのは忍びない。

 ここは一肌脱ぐとしようか。


 ということでポチと一緒に地上へ戻った。

 目的は黄金の葉の原料であるアロアタクサ草だ。


 俺が干上がらせてしまった元湿地帯にはアロアタクサ草はなかった。

 なので少しだけ湖から離れてみる。

 すると大量のアロアタクサ草を発見した。

 流石、どこにでも生えてる草だぜ。


「……この毒草が本当に黄金の葉になるのか?」


 ポチが首を傾げている。

 まあ、普通は信じられないよね。

 俺がポチの立場だったら笑い飛ばして終わりだわ。


「まあ、見てろって」


 俺は実演してみせることにした。

 まずはその辺の土と木の枝ですり鉢を作る。

 それからアロアタクサ草同士をすり潰す。

 すると【調合の極意】が仕事をして黄金の葉の完成だ。


「ほら見ろ。黄金の葉だぞ」


「……そうだな」


 ポチは納得いかない様子。

 でも納得してもらわないとな。

 自分達にとって都合が良いんだから細けえことは気にすんな!


 とまあ、そんなわけでしばらくの間、ひたすら調合タイムだ。


 ――まぜまぜ。


 うーん、久しぶりにたくさん調合したな。

 調合の合間に作ったアロアジョウ草のバッグはパンパンだ。


「よし、これだけあれば大丈夫だろう。リザードマンの集落に戻るぞ」


 俺達は大量の黄金の葉を持って再び湖の中に飛び込んだ。

 行きも帰りも【水操作】で水流を操作しているから移動は楽です。


 リザードマンの集落にたどり着いたら先程の大きな建物に向かった。

 建物の中には変わらずリザードマン達が寝込んでいる。

 スラッジソール討伐が報告された時の盛り上がりはもうない。


 俺とポチはインビジブルブレスレットを外して建物に入った。


「む、アイ殿にポチ殿か。どうかしたのか?」


 建物の中にはシュルがいた。


「ちょっとみんなにプレゼントがあるんだ」


「プレゼント?」


「この葉っぱを病気のリザードマン達に食べさせてくれ」


 どさっと地面に置いたバッグの中から黄金の葉を取り出す。

 シュルは黄金の葉を珍しそうに眺めた。


「これは?」


「これを食べれば病気が治る」


「なんと! それは本当か!?」


「ほら、早くみんなに配ってくれ。俺達が配ったら警戒されちゃうしな」


「分かった! さっそく皆に食べてもらおう!」


 こうして俺達のリザードマン治療作戦が始まった。


 黄金の葉の効果は劇的だった。

 黄金の葉を食べたリザードマンはみるみるうちに元気になった。

 病気の治ったリザードマンは戸惑いを隠せていない。


 で、全員に黄金の葉を配り終えた頃にはリザードマンによるお礼の嵐。

 何を言ってるのかは分からないが感謝しているのは分かる。

 あ、シュルからも感謝の言葉をもらったぞ。


「喜んでもらえて良かったな」


「ああ、そうだな」


 これでリザードマンの問題も一件落着といったところか。


 俺達は気分良くその場を後にした。

「面白い」「続きが気になる」と思ってくださったらブックマークと広告下の「☆☆☆☆☆」からの応援お願いします……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ