074 彼らは立派に戦ったのだろう
スラッジソールを倒したリザードマン達は集落へ戻り始めた。
俺とポチはリザードマン達のすぐ後ろに続く。
リザードマン達からは喜びが感じられる。
いかにこの勝利が大きいのかが分かるな。
しかし、全てのリザードマンが喜んでいるわけじゃない。
スラッジソールの攻撃を食らったリザードマンは苦しそうだ。
状態異常である病気(重度)のせいだな。
病気になった仲間を背負うリザードマンの顔はなんだか悲しげに見える。
恐らく病気になったリザードマンは助かる見込みが低いのだろう。
助かるのなら悲しむ必要はないはずだし。
「ん? シュル達はどこに向かってるんだ?」
集落に戻ったリザードマン達の一部(シュル含む)がどこかへと歩いていく。
気になったのでついて行くことにした。
シュル達は大きな建物の中に入った。
クロサクラでは建物の中には入れないので土下座ポーズで中を覗く。
建物の中はかなり広い。
そこには毛布が敷いてあり、たくさんのリザードマンが寝込んでいた。
シュル達は建物の奥に並んで立った。
そして中央のリザードマンが一歩前に出る。
なんか威厳あるし、煌びやかな装飾品を身に付けてるし、たぶん王様かな。
そんな王様(仮)が口を開いた。
「□□□□□□□□□□□□□□□□」
王様(仮)が話し始めると寝込んでいたリザードマンは起き上がって話を聞く。
話し終えるとリザードマン達は喜びの声を上げた。
中には泣いてしまう者もいた。
「何の話をしてるんだろうな?」
「推測だが今回の戦果を報告しているんだろう」
「え? わざわざ王様っぽい奴が言うようなことか?」
「これも推測だが、ここの連中は以前にスラッジソールと戦った者だろう」
「……スラッジソールの犠牲になった連中か」
「彼らの戦いが無駄じゃなかったことを伝えに来たんだろうな」
「……そうかもな」
俺達はそっとその場から離れた。
離れる間際、見たのは対照的なリザードマン達だ。
寝込んでいた連中はたぶん笑顔で、戦果報告に来た連中は暗い表情だ。
ここで寝ているリザードマンは近い内に死ぬ。
だからこそ、シュル達はとても暗い表情をしているんだろうな。
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