066 シュルに料理を作ってあげた
シュルに料理を食べさせるために食材を求めて食料品店を訪ねた。
店の中には肉、魚、野菜、果物が並んでいる。
なんだか前世のスーパーを思い出すな。
「アイ殿は何を買えばいいのか分かるか?」
うーん、そうだなぁ……リザードマンの好物ってなんだろう?
やっぱり水の中に住んでるし魚とか好きなのかな?
スーパーと違ってオススメとか書かれてないし迷うぞこれ。
「シュルは魚とか食べる?」
「ああ、よく食べているぞ」
ふむ、それなら魚料理でいいかな。
あとは野菜を買えばいいか。
「なら魚料理を作るよ。魚と野菜を買ってくれ」
「分かった。少し待っていてくれ」
言われた通り待っているとシュルはでかい魚と数種類の野菜を買ってきた。
買った物を見せてもらったがどれも見慣れない食材だったわ。
まあ、異世界だし当然なんだけどさ。
「……あ、料理はどこで作ればいいんだ?」
「そうだな……食堂がある故、そこの調理場を貸してもらおう」
「そんな簡単に貸してくれるの?」
「交渉は拙者が行う。案ずることはない」
交渉してくれるらしいのでここはシュルに従おうか。
食料品店を出て食堂に向かう。
――てくてく。
食堂に着いたぞ。
建物の中入るとカウンターのリザードマンとシュルが話し始めた。
さっそく交渉をしてくれているのだろう。
少しだけ待っているとシュルが戻ってきた。
「調理場を1時間だけ貸してくれるそうだ。それで間に合うか?」
1時間か……充分だね。
俺の【料理】にかかれば数分で作れちゃうな。
ほんと、スキルの力ってすげー。
「それだけあれば大丈夫だよ」
「それならよかった。調理場はこっちだ。ついてこい」
店の奥に入って調理場に移動する。
調理場は意外と広かった。
多くのリザードマンが来ても対応できるようになっているのか。
「拙者は調理場の外の席で待つ。ポチ殿もそれでいいか?」
「ああ、構わないぞ。その方が早く料理を食べられるからな」
「では拙者達は退室しよう。アイ殿の料理、期待しているぞ」
シュルは俺にプレッシャーをかけるとポチと一緒に調理場から出ていった。
さて、何から作ろうかな。
メインの魚料理はすぐに作れるし、先に野菜の方から使うか。
調理器具はここにあるのを借りようっと。
まずは野菜を包丁で輪切りにする。
それから切った野菜を鍋に放り込んで水を入れる。
あとは火にかけてコトコト煮るだけ。
これだけで美味しい野菜スープの完成だ。
試しに一口飲んでみたが野菜の旨味が出た良いスープでした。
調味料は一切使ってないのに味があるのは……まあ、いつものことだな。
よし、次はメインの魚料理だ。
最初に包丁を使って魚を三枚おろしにする。
魚を捌いたことなんてなかったけど、こういうのはフィーリングが大事だよね。
実際、なんとなくで魚を捌けたし。
で、捌いた魚の身をフライパンで焼く。
するとどういうわけか白身魚のムニエルが完成した。
これでよし。
俺とポチとシュルの料理が出来上がった。
冷めない内に食べてしまおう。
そんなわけで食器を拝借して料理を盛り付ける。
そして待っているポチとシュルの元に料理を運ぶ。
「いい匂いがするな。これはなんという料理なのだ?」
「これはムニエルっていう名前だぞ」
「ほう、そんな料理があるのか。アイ殿は物知りだな」
いやー物知りなのはスキルの方っすよ。
俺だけの力で料理をしたらきっと悲惨な結果になるぞ。
「早く食べよう。料理が冷めてしまうぞ」
焦るなよポチ。
そんなに急がなくても料理は熱々だから。
「それじゃいただきますか」
俺がそう言うとポチとシュルは料理を食べ始めた。
「……うまい。アイ殿は料理上手なのだな」
「まあ、自慢じゃないがな」
「これならポチ殿が虜になってしまうのも頷ける」
シュルはそう言うと一口、また一口と料理を口に運ぶ。
リザードマンの表情は分からないが、たぶん顔が緩んでる気がする。
それだけ美味しいってことか。
作った甲斐もあるってもんだ。
「アイ、もっと食べたいぞ。おかわりはないのか?」
この食いしん坊ウルフめ。
お前はもう少し味わって食べろや。
フードファイターなポチにはおかわりなんてありません。
「料理はそれだけだ。夕飯まで我慢するんだな」
「……ぬう」
唸るポチは放っておいて、食事を続けよう。
あー魚うめー。
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