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060 理不尽が俺を襲う

 スワンプソールとポチを追って湖の中に入った俺。

 クロサクラの気密は完璧じゃないらしく水が隙間から入ってきた。


 やべえよやべえよ。

 このままじゃポチを助ける前に俺が溺れちゃう。

 まずは呼吸をどうにかしなくては。


 呼吸ができないのは水があるからだ。

 つまり、水の無い空間を作ればいいんじゃないか?

 となれば方法はある。


 その方法とは【水操作】で顔の周りに大きな泡を作るというもの。

 実際やってみたらちゃんと呼吸できるみたいで一安心。

 どうして泡の中に空気が入っているのかは分からん。


 余裕ができたので周囲を見回す。

 するとスワンプソールから離れられずにもがくポチの姿が見えた。


 急いでポチにも【水操作】で呼吸できるように泡を作った。

 呼吸できるようになったポチはだいぶ落ち着いたようだ。


 ちなみにスワンプソールは現在も移動を続けている。

 そのため、俺はクロサクラを湖底で走らせて追っている最中だ。


 さて、どうしようか。

 今のクロサクラではスワンプソールに攻撃できない。

 スワンプソールは水面近くを泳いでいるので攻撃が届かないのだ。

 遠距離を攻撃する手段があればな……いや、攻撃する必要は無いか?

 俺には【念力】がある。

 それについさっき【念力の極意】も手に入った。

 つまり今の俺はかなり強力な不思議パワーが使えるのだ。

 なら【念力】を使ってスワンプソールからポチを引き剥がせるんじゃ?

 で、ポチを救出したところでスワンプソールから逃げる。

 これでいいんじゃね?


 考えが纏まり始めたその時、突然スワンプソールがこっちに向かってきた。

 その動きには何か焦りのようなものを感じる。

 あっちに何かあるのか?


 スワンプソールが元々進んでいた方角を見てみる。

 するとそこには何体かの生物がいた。


 距離があるのに加えて水のせいでよく見えないが、そこまで大きくはないか?

 たぶん人間と同じくらいの大きさだろう。

 見た目は二足歩行のトカゲっぽい。

 もしかしてあれがリザードマンか?


 謎のトカゲ達は棒状の何かを握っている。

 あれは槍かもしれない。


 謎のトカゲ達は一斉に槍を掲げた。

 すると濃密な魔力の渦が巻き起こった。


 え、ちょ、まさかこっちに魔法を撃ったりしないよね?


 ってやっぱり撃ってきたー!?


 なんでだよ俺達何もしてないだろ!

 もしかして向こうには俺達が見えていないとか?

 いやいや、クロサクラの巨体を見落とすとかあいつらの目は節穴かよ!


 くそ、巨大な竜巻がこっちに向かってくるぞ。

 このままじゃ俺とポチはスワンプソールと仲良く退治されておしまいだ。

 この状況をなんとかしないと。


 とりあえずポチを救出しよう。

 俺の【念力】でポチをスワンプソールから引き剥がす。

 【念力の極意】で強化された不思議パワーのおかげでポチの救出は成功。

 急いでポチをクロサクラの元に引き寄せる。


 さて、ここからが問題だ。

 あの竜巻をどうにかやり過ごさなくてはならない。


 だが、ここは湖底。

 身を隠す物は何も無い。


 あるのは大量の水のみ……いや、これを使えばいいのか!

 俺の【水操作】で水の壁を作ればダメージを軽減することくらいはできるはず!


 もう竜巻は目の前まで来ている。

 やるしかない。


 俺は残された時間で最善の水の壁を構築するように努めた。


 水の壁は水を圧縮して俺とポチの前方に配置。

 更に水の流れを調整して竜巻の勢いが横に流れるようにした。


 俺にできるのはここまでだ。

 これでなんとか耐えられるだろうか?


 ――ゴオオオ!


 ついに竜巻が直撃した。

 スワンプソールは竜巻に巻き込まれてズタズタに引き裂かれてしまった。


 俺の作った水の壁は……あ、無理だこれ。

 とても持ちこたえられないわ。


 こんな威力の魔法使ってくるなんて反則だろ。


 あ、壁が壊れ――。

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