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055 俺に逃げ場は無いようです

 さて、もうここに用事は無い。

 ワイバーンの脅威は取り除かれたし、そろそろ先に進もう。

 俺的に早くこの場から立ち去りたいんだよ。


「ちょっと待って!」


 ひぃ!?

 いきなり目の前にリーシャが現れたんですけど!?

 お前さっきまで談笑してたじゃん!

 それに俺達とリーシャ達の距離結構離れてたはずだろ!


「リーシャ急に走り出したりしてどうしたの?」


「誰かそこにいるのか?」


 母親とタロスがこっちに走ってきた。

 2人とも目で追えないわけじゃないが、それでも充分速い。

 クロサクラの全力疾走でも振り切れないかも。


「ねえお願い。2人に見えるように透明化の効果を消してほしいの」


 リーシャはそう言うが……うーん、困った。

 もし断ってリーシャが怒ったりしたら俺とポチは瞬殺されてしまう。

 でもこいつらに姿を晒してもいいものか。


「リーシャ何を言ってるの? そっちには誰もいないわよ?」


「もしかしてまだ調子が悪いんじゃないのか?」


 どうやら2人には俺達の姿は見えていない様子。

 いや、それが普通のはずなんだけどな。

 じゃないと何のためのインビジブルブレスレットだって言いたくなるし。


「……2人がいきなり襲いかかってこない保障はあるのか?」


「お母さんとタロスなら大丈夫だよ。私もちゃんと話すから。ね、信じて」


 リーシャの目は嘘をついているようには見えない。


 俺は悩んだ末にリーシャの言葉を信じることにした。


「……ポチ、インビジブルブレスレットを外そう」


「大丈夫だろうか? 俺は不安だ」


「俺だって不安だ。でも断ったら何されるか分かったもんじゃないぞ」


「しかしだな……」


「そもそも、お前が彼女に興味を持ったのが遠因だからな」


「……むう」


「覚悟を決めろ。もう流れに身を任せるしかないんだ」


「……仕方ないな」


 ポチも納得してくれたようなのでインビジブルブレスレットを外す。

 すると俺とポチとクロサクラの姿が露わになる。


「アイだけクロサクラに隠れるのはずるいぞ。早く出てこい」


 くそ、ポチのくせに言うじゃないか。

 仕方ないな……クロサクラから降りるか。


「魔物!?」


「急に現れたぞ!? 敵か!?」


 2人とも俺達に対して警戒心MAXだ。

 うん、普通はこうなるよね。

 簡単に魔物を信用するリーシャがおかしいんだよ。


「紹介するね。私の呪いを解いてくれた吸血鬼さんと巨人さんとウルフさんだよ」


「リーシャ……それ本当なの?」


「本当だよお母さん。吸血鬼さんのくれた金色の葉っぱのおかげで治ったの」


「金色の葉っぱって……まさか黄金の葉!?」


 母親が驚いてる。

 黄金の葉ってそんなにすごいの?

 説明文は大層なこと書いてあったけどさ。


「お母さん何か知ってるの?」


「黄金の葉はどんな病も治す伝説のアイテムよ。どこにでもある物じゃない」


「伝説のアイテム……そんな物を魔物が持っていたのか?」


「嘘は言ってないよ! その黄金の葉のおかげで私の呪いは消えたの!」


「リーシャの言うことは信じるけど……」


 母親とタロスが懐疑的な視線を向けてくる。

 そんな目で見られても俺にはやましいことなんて何もないんだからね。


「……なるほどね。あの吸血鬼は普通じゃないわ」


 え、急に母親が納得したぞ?

 どういうことか俺にも分かるように説明しろよ。


「マチルダさん、どういうことか俺にも教えてくれ」


「【観察】で見たのだけれど、この吸血鬼はスキルレベルが異常なのよ」


「え? お母さんそれ本当なの?」


 どうやら母親の名前はマチルダっていうらしい……ってそれはどうでもいい。

 この人って【観察】持ってるんだな。

 まあ、ポチも持ってるくらいだし人間が【観察】持ちでも不思議じゃないか。


「スキルのレベルは10で一流、20で天才、30で神人と言われているわ」


 ふーん、そうだったんだ。

 スキルのレベルってポンポン上がるから人間もそうなんだって思ってたわ。

 俺ってすごい奴だったんだなー。


「この吸血鬼は複数のスキルが最大のレベル30に到達してる」


「嘘だろ!? こんな奴が神人だっていうのか!?」


「しかも【極意】のスキルを複数持ってる……こんなの普通はありえない」


「そうなんだ……吸血鬼さんってすごいんだね」


 いやいや、俺ってただのぷりちーな吸血鬼さんですって。

 あんまり持ち上げるのはやめろよな。


「これだけ異常な存在なら黄金の葉を作れるかもしれないわ」


「伝説のアイテムを作るだって? そんなことができるとしたらそいつは……」


「……ええ、そういうことなのかもね」


 俺を無視して話が進んでいくー。

 俺の忍耐もそろそろ限界だ。

 生かすのか殺すのかはっきりしてくれ。

 もし殺す気なら一目散に逃げるぞ。


「アイ様……娘の無礼をお許しください」


 え、名前なんて言ったっけ……あ、ステータス見たなら分かるか。

 そんなことよりもなんでいきなり謝ってるの?


「……あの、なんで謝ってるんですか?」


「あなたは魔物の姿をした神の使いなのでしょう?」


 えぇ……(困惑)

 なんでそうなるわけ?

 別にちょっとスキルの数が多いだけの魔物でいいじゃん。

 ぶるぶる……俺、悪い魔物じゃないよ!


「なあ、ポチ。これどうしようか?」


「……ふっ」


 何笑ってんだよ。

 それになんでニヤニヤしてるんだよ。

 絶対何か悪いこと考えてるだろ。

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