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053 人間の呪いを解いた

 女の話を聞いたけど……まあ、予想通りの内容だった。

 さっき出ていった母親とタロスとかいう奴を助けてほしいそうだ。

 この辺は人が滅多に来ないから俺達が頼りなんだってさ。


 でも俺達は極悪非道な魔物ですよ?

 人間を助ける道理なんて無いわい。


「人間と魔物は敵対関係だろ? なんで助けないといけないわけ?」


「それは違うよ! 人間と魔物は分かり合える! 今だってそうだもん!」


 そうかな……そうかも……?

 会話できているし、彼女の言う通り少しは分かり合えてる……のか?

 うーん……分からん。


「……どうして魔物を信用できるんだ?」


「全ての魔物を信用してるわけじゃないよ。ただ、あなた達は信用できる」


「……いや、だからどうして信用できるんだ?」


「私には分かるの。あなた達は話の分かる魔物だってことが!」


 こいつ話が微妙に噛み合わないな。

 ……いや、それだけ切羽詰まってるってことか?

 ふむ……ちょっと試してみよう。


「俺達が人間を助けたとして、何か見返りはあるの?」


「対価は私の命だよ。引き受けてくれるの?」


 うわ……本気かよ。

 そこまで求めてはいないから。

 そんなこと言われたら逆に困っちゃうわ。


 ……はあ、俺も悪ふざけが過ぎたか。

 彼女にとってはそれだけ重要な願いってことだもんな。


 でも俺に何ができる?

 俺ってただのか弱い吸血鬼少女ですよ?


「期待しているみたいだが、俺にはすごい力なんて無いぞ」


「そんなことない。あなたからは不思議な力を感じるの」


 不思議パワーとな?

 もしかしてスキルのことかな?

 でもそんなにすごいスキルなんて持ってたっけ?


 ちょっと自分のステータスを確認。




 レッサーバンパイア LV10(MAX)

 名前   アイ

 状態   健康

 HP  50/50

 MP  15/15


 ステータス

 攻撃力    10(+230)

 防御力    10(+94)

 魔法攻撃力  10

 魔法防御力  10

 素早さ    10


 スキル

 【観察LV9】【暗視LV18】【隠密LV14】

 【毒耐性LV7】【恐怖耐性LV3】【採掘LV30(MAX)】

 【器用LV22】【調合LV30(MAX)】【加工LV30(MAX)】

 【細工LV19】【念話LV7】【操縦LV27】

 【料理LV10】【高速加工LV30(MAX)】【念力LV9】

 【水操作LV3】【浄化魔法LV1】【合成LV20】


 特殊スキル

 【調合の極意LV3】【加工の極意LV3】【細工の極意LV1】

 【採掘の極意LV2】【名付ける者LV2】【合成の極意LV2】

 【料理の極意LV1】




 特に変わったスキルは持ってないぞ。

 この女、俺のこと評価し過ぎじゃね……あ、もしかしてそれが狙いか?

 俺のこと煽ててあごで使おうってつもりじゃねえだろうな?


「そんなに過大評価するなよ。持ち上げれば言いなりになると思ってんの?」


「そんなつもりじゃ……ゴホッ、ゴホッ」


 そういえば彼女すごく具合悪そうだよな。

 【観察】で様子を見てみるか。




 ヒューマン LV???

 HP  ???

 MP  ???


 ステータス

 不明


 スキル

 不明




 うわっこいつ相当強いぞ。

 今の【観察】のレベルで全くステータスが見れないとかどういうことだよ。


「お前相当強いだろ。なんで自分で助けに行かないんだ?」


「今の私には強力な呪いがかけられているの。これじゃ戦えないよ……」


 どうやら呪いの状態異常になってるみたいだな。

 それなら黄金の葉を食べさせれば治るんじゃね?


「つまり呪いが解ければいいんだな?」


「そうだけど……こんなに強力な呪いは簡単には解けないよ」


「ちょっと待ってろ」


 クロサクラから降りてバッグから黄金の葉を取り出す。


「え? え? 巨人さんの中から女の子が?」


「そういうのはいいから。この葉っぱを食ってみろ」


「う、うん……」


 女は素直に黄金の葉を食べた。

 すると女の体が黄金の輝きを放ち、状態異常が浄化された。


 黄金の葉って他人が使うとこんな風になるんだな。

 俺が使った時は体が光ったりなんてしなかったぞ。

 不思議だわー。


「え!? 呪いが解けた!? どういうことなの!?」


 女は驚きの表情で俺の顔をまじまじと見てくる。


「これで助けに行けるだろ? 早く行ったらどうだ?」


「……何が何だか分からないけどそうだね! ありがとう吸血鬼さん!」


 女はそう言うと急いで家から出ていった。


 あいつ……言ってもないのに俺が吸血鬼だって見抜いたぞ?

 一体どういうカラクリなんだ?


「……アイ、あの女を追わないか?」


「は? 何言ってんの?」


「お前がこの小屋に興味を抱いたように、俺もあの人間に興味が湧いた」


 ふーん……マジで?

 まあ、気になるっていうなら追いかけてもいいけどさ。


 なんか嫌な予感がするんだよなぁ……。

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