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049 川が渡れないんですけど……

 現在、俺とポチは街道を歩いている。

 もう朝になっているので人通りは結構あるよ。

 でもインビジブルブレスレットのおかげで堂々と進むことができている。

 時々クロサクラの駆動音に首を傾げる人間がいるが……まあ、セーフだな。

 こんなのばれなきゃいいんですよ。


 そんな感じで快調に移動をしていたんだが、ここで思わぬ足止めがあった。


「すごい濁流だな」


「変だな。この時期に川が氾濫するとは……」


 俺達の目の前には巨大な川がある。

 それがすごく荒れ狂った勢いで流れているのだ。

 まるで台風のあとみたい。

 上流で大雨でも降ったのかな?


 まあ、川の増水理由はどうでもいい。

 問題は向こう岸に行けないことだな。

 ポチによれば目的地であるリザードマンの住処は向こう岸にあるらしい。

 となると俺達は渡河しないといけない。


 でもこれだけ勢いよく流れていると船は使えない。

 他の手段は……橋を渡るくらいか。

 この周辺に橋はないのかな。


「アイ、この川には上流に橋がかかっていたはずだ。上流に向かおう」


 ポチが橋の場所を知っていた。

 まったく、ポチの博識さにはびっくりだわ。


 よし、じゃあ橋に向かって前進だ。


 ――ガッシャガッシャ。


 しばらく移動したら目的の橋にたどり着いた。

 でも残念なことに橋は崩れていた。

 なんてこったい。


「一体どうして橋が壊れてしまったんでしょうか……」


「昨日の夜の突風で橋が粉々になっちまったんだとさ」


「へえ、そうなんですか。怖いですねぇ……」


「これじゃ向こう岸に行くことができねえ。不便で仕方ねえや」


 橋の近くで立ち往生していた人間の話を聞くことができた。

 どうやら昨日の夜に橋が壊れたようだ。


 しかし橋を壊すほどの突風とかヤバいな。

 そんな風が昨日の夜に吹いたなんて信じられない。


「……こりゃきっと死の風が吹いたんだな」


「死の風ですか……ここ数年は吹かなかったはずですが」


「川の巫女が鎮めてくれていたからな。それがなくなったってことは……」


「そういうことなのかもしれませんねぇ……」


 人間の会話に気になるワードがあった。

 死の風に川の巫女か。

 まあ、気になっただけで俺がどうこうするわけじゃないけどね。


「川の巫女はアラール山脈にいるって話だ。確認に行きてえが危険すぎるか」


「ですね。あの山には近づかない方がいいですよ」


「はあ……仕方ねえ。村に戻るか」


 会話を終えた人間は踵を返して歩き始めた。

 人間は村に戻ることにしたようだ。


 さて、俺達はどうしようかな。


「……ポチはどうすべきだと思う?」


「この橋が使えないなら……アラール山脈まで川を遡る必要があるな」


「わお……危険な所に行かないといけないのか」


「あまり構えるな。危険になったら逃げればいいだけの話だ」


「……それもそうか」


 ポチの言う通り、危険だったら逃げればいいか。

 俺のクロサクラって結構なスピードで走ることできるもんね。

 いざとなったらポチを抱えて逃げよう。


 よし、じゃあアラール山脈まで行くか。

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