043 暇なのでポチに相談してみた
ぐーたら過ごしてたら10日くらい経っていた。
特に何事もない日常。
それはそれでいいんだが……うーん、何か物足りない。
スキルのおかげで生活の質はグッと向上した。
正直生きるためには今の状態をキープするだけでいい。
でもそれじゃあ……わくわく感が無い。
生活が充実する前は色々と試すことがあった。
それが今は無い……そう、要するに暇つぶしがなくなったのだ。
一応、スキルを試すための実験をすれば暇つぶしにはなるだろう。
でもそれにも限界はある。
前世じゃゲームとかあったからよかった。
今世には当然、そんな物は無い。
だから何もすることがないと、本当にすることがないのだ。
それは俺にとってある種の苦痛だわ。
さて、どうしたものか……。
とりあえずポチに相談してみるかな。
というわけで俺はポチの元へ向かったのだ。
「ポチーちょっといいかー?」
「なんだ? もう食事の時間か?」
「違うっての。ちょっと相談したいことがあるんだ」
「そうか。まあ、聞いてやろう」
ポチに現状が暇でしょうがないことを話した。
そしたらポチがため息をついた。
「お前は何を言っているんだ? 余裕のある生活なんて夢のようじゃないか」
「良く言えばそうだけど、俺にとってはそうじゃないんだ」
「……アイは変わっているな。自ら危険な道を歩もうというのか?」
「俺はちょっとくらい刺激が欲しいの。いいから何か考えろ」
「ふむ……なら、冒険に出かけるか?」
「冒険?」
確かにそれならしばらくはわくわくできそうだ。
未知を明らかにする体験はとても面白そう。
あ、でもあんまり危険なことはしたくないな。
俺はわくわくを感じたいのであって危険な目に遭いたいわけじゃない。
「冒険って何をするんだ?」
「そうだな……じゃあリザードマンの秘宝を見物に行かないか?」
「なにそれ?」
リザードマンってトカゲみたいなやつでしょ?
そんな連中が持ってるお宝って……正直、大したことないんじゃね?
「聞いた話によると南西の湖に生息するリザードマンがお宝を持っているらしい」
「お宝って何だよ? 金銀財宝は見飽きてるぞ」
「秘宝の名前は蒼水球と言うそうだ」
「蒼水球ねぇ……」
名前からして青い玉みたいな物か?
それがなんでお宝なんだ?
……ちょっと気になる。
「どうする? リザードマンの住処へ行ってみるか?」
「……そうだな。蒼水球がどんな物なのか見てみたい」
「分かった。ならリザードマンの住処まで案内しよう」
こうして俺とポチはちょっとした冒険の旅に出ることになった。
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