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038 住処をリフォームしてみた

 俺とポチがミスリル探しの旅から帰ってきて3日が経った。


 今日は朝から雨が降っている。

 小雨ではなく土砂降りである。


 これは……体を洗うチャンスだな!


 俺はアロアジョウ草で作った衣服を脱ぎ捨て全裸で雨に打たれる。

 あー天然のシャワーが気持ちいいんじゃー。


 両手で体をごしごし洗う。

 そして体を洗うついでに自分の体をまじまじと見てみた。


 うーん、今まで見て見ぬふりをしてきたが……俺ってお子様体形だな?

 胸や尻は発展途上だし、体にはあんまりお肉付いてないし。

 ……まあ、この世界に転生してまだ数日しか経ってないし仕方ないか。

 俺には発展する余地があるのだと信じよう。

 せっかく女の子になったからにはボンキュッボンを目指したい。

 考え方が女の子に浸食されてる気がしなくもないが……仕方ないよね?


 さて、体も洗い終わったし風邪をひく前に住処に戻ろう……あ。

 雨水のせいで穴の入口は泥でドロドロだ。

 このまま戻れば全身泥まみれになっちゃうぞ……。


 むう……それもこれも全部、土剥き出しな住処が悪い。

 これはそろそろ土剥き出しの状態から脱する時期かな。

 余裕が生まれた今こそ住処を快適にする時だろう。


 よし、そうと決まればさっそく作業だ!

 泥で汚れちゃうけど構わずに住処に潜る。

 案の定、俺は泥だらけになった。

 まあ、仕方ないと思いながらアロアジョウ草の衣服を着る。


 さあ、作業を始めよう。


 まずは住処をどんな感じにリフォームするかを決める。

 そうだなぁ……レンガ造りなんてどうだろう?

 モダンな感じがしていいかもしれない。

 うん、レンガを敷き詰めよう。


 レンガの材料は粘土を使うんだっけ?

 なら材料は掘ればいくらでも手に入るな。

 ついでだし部屋と通路の拡張もやっておこう。


 ――ガリガリガリ。


 掘り続けた結果、十畳くらいだった部屋は十五畳の部屋になった。

 緊急避難用に作ってそれっきりだった奥の部屋も広げた。

 奥の部屋は今後、俺の寝室にする予定だ。

 十五畳の部屋は作業部屋にしよう。

 それと狭く通り難い通路は広げた。

 外敵の侵入を防ぐ扉があれば狭い通路である必要はないのだ。


 あ、掘ってる時に集まった鉱石や財宝は作業部屋の隅に置いたぞ。

 これもいつか使う日が来ればいいな……って話が逸れたな。 


 で、集まった大量の土をこねる。

 【器用】のおかげで土が固まるのはすり鉢を作った時に確認済だ。


 ――こねこね。


 ひたすら土をこねてレンガもどきを作っていく。

 そしてできたレンガもどきをどんどん床に置く。

 不思議なことにレンガもどきは並べると勝手にくっつく。

 おかげでレンガ同士を張り付ける手間は不要になった。


 作業部屋と寝室の床にレンガもどきを置き終えると材料の土がなくなった。

 なのでまた土を掘る作業を始めた。

 今度は作業部屋の左側の壁から通路を掘って新しい部屋を作る。

 新しい部屋は……浴室にしようかな。


 ――ガリガリガリ。


 よし、レンガもどきの材料確保完了。

 またレンガをこしらえる仕事が始まるよ。


 ――こねこね。


 出来上がったレンガもどきを壁や天井に張っていく。

 壁はともかく天井はレンガもどきの設置が難しかったわ。

 うまくアーチ状にしないといけないからなぁ。


 まあ、苦労の甲斐もあって俺の住処はレンガ一色になった。

 作業部屋も寝室も通路もレンガもどきが隙間なく敷き詰められている。

 うーん、やり遂げた感があっていいぞー。


 あとは外敵の侵入を防ぐための扉を設置しよう。


 扉はたくさんある鉄鉱石を加工して作った。

 まず入口に分厚い扉を設置。

 そして各部屋を繋ぐ通路にも扉を付けた。


 ここまでやったところでポチから餌の催促が発生。

 キリがいいので今日はこのくらいにしておこう。


 明日は浴室を作ろうっと。

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