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029 俺の体は血と肉を求める

 少しだけ待っているとポチが獲物を持ってきた。

 予告通りの時間で狩りを済ませてくるとは……ポチめ、やりよる。


 ポチが狩ってきたのはシカっぽい魔物だった。

 ここでウルフとか持ってこられても困るしシカでよかったわ。


 じゃあ、さっそく料理を始めよう。

 まずはこのシカっぽい何かを解体しないと。

 でも、前世じゃそんなことした覚えがないんだよなぁ……。

 うーん……まあ、なんとかなるでしょきっと。


 と、軽い気持ちで解体作業を始めた。


 とりあえずアダマンダガーで毛皮を切り取った。

 あとは内臓とか取り出すんだっけ?

 慎重に腹を切り開くと……内臓がどばーっと出てきた。

 内臓はどこが食べられるのか分かんないから全部廃棄で。


 ……しかし、こうして肉を切ってると、ドキドキしてくるな。

 なんか、手に着いた血とかを見てると……興奮して、きた。


 ――ぺろぺろ。


 気が付いたら俺は手に着いた魔物の血を舐めてた。

 でもそれだけじゃまるで足りないので魔物の首に噛みついてちゅーちゅー吸う。


 ……血、うめー!


 あーそういや俺って吸血鬼だったわ。

 これが吸血鬼に課せられた業ってやつかー。

 初めて血を飲んだけどこんなにおいしいとは思わなかったわ。


「……血が飲みたいなら後にしろ。早く俺に料理した肉を食わせろ」


 俺の後ろでポチが催促してくる。

 なんだよ人がせっかく感動してたのに。

 空気の読めない奴だな。


 まあ、でもポチの言う通り俺も早く肉が食いたい。

 なので血を飲みたいっていう誘惑を振り切って調理再開。

 と言っても肉を切ってそれをフライパンで焼くだけ。

 ね、簡単でしょ……焦げ臭!




 【焦げ肉】

 調理に失敗した肉。

 一応食べることはできるが味は保証しない。




 なんてこった……。

 現実は厳しい。


 はあ……肉を無駄にしてしまった。



『【料理】を獲得しました』



 やったぜ!

 現実なんてチョロいな!


 これで俺もまともな料理を作ることができる。


 残りの肉を使って料理をする。

 スキルを手に入れた俺の頭の中には料理の手順が次々と浮かんできた。

 これの通りにしておけば問題なく料理はできるから楽だよね。


 ――ジュージュー。


 うーん、肉の香ばしい匂いが食欲をそそるねぇ……。

 匂いだけでご飯が食べられますよ。


 ――ジュージュー。


 よし、焼けたぞ。

 完成したのはステーキである。

 ただ焼いただけなのにコショウやソースが付いているのは……別にいいか。

 無い物がいきなり現れるなんて日常茶飯事だしな。

 いつものことだと思うことにしよう。


「ポチーできたぞー」


「うまそうな匂いだ。早く食べさせろ」


「今、切り分けるから待ってろ」


 できたステーキをアダマンナイフでスパスパ切る。

 そして切った肉をポチにあげた。


「……うまい!」


 ポチが尻尾をブンブン振って喜んでいる。

 どうやら俺の作ったステーキの味が気に入ったようだ。

 ガツガツと食べている。


 どれ、俺も食べてみるか……本当だ、うまいな!


 あまりの美味しさにあっという間の完食である。


「もっとだ。もっと食わせろ」


 ポチがおかわりを要求してきた。

 もう肉が残ってないぞ、と言ったらポチはすぐに追加の肉を狩ってきた。

 どんだけ食いたいんだよ……。


 これじゃミリー鉱山に行くのはまだ後だな。

 ……まあ、急ぐ旅でもないし別にいいか。

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