023 ロボットを動かしてみた
地面を掘ってたらロボットを掘り当てちゃった。
これどうしよう……ってそんなの決まってるよね。
体は女の子でも心は男の子。
こういうのにときめくのは仕方ないことなんだ。
ということでさっそく乗ってみよう。
たぶんコックピットは胴体でしょ。
でもどうすれば乗れるのかはさっぱりだ。
どこかに乗るためのレバーとか付いてないかな?
うーん、それっぽいのは無いな。
せっかく掘り当てたんだしどうにかして乗ってみたい。
外見的には劣化とかしてない感じだし、動くと思うんだよね。
操作に関しては【観察】も教えてくれなかったもんな。
このロボットを操作するスキルとかがあれば分かるんだろうけど。
むう、分からん。
こういう時は叩いたりすれば開いたりしないかな?
――バンバン。
……やっぱりダメか。
まあ、そりゃそうだよね。
衝撃で開いたりしたら危ないもんね。
――ガチャ、プシュー。
開いた!?
嘘でしょ適当に叩いただけなのに。
やってみるもんだなぁ……。
よし、じゃあコックピットに乗り込め……ってうわ先客がいた。
コックピットに乗ってたのは白骨死体が1人。
このロボットのパイロットだろうな。
とりあえずこの骨には席を譲ってもらおう。
この機体は俺が有効活用してあげるから安心して成仏しろよ。
えーっと……動かすにはどうすればいいのかな?
とりあえず2本の操縦桿と2つのフットペダルで動かすのは分かる。
……いや、これだけで本当にロボットを動かせるの?
アニメやゲームじゃないんだからもっと複雑な操作とか必要じゃねえの?
まあ、大丈夫ならいいんだけど。
そうだ、こういうのはエンジンを動かさないとダメだよね。
ちょうどそれっぽい赤いボタンがあるから押してみよう。
――ゴウンゴウンゴウン!
おお、動いた!
なんか機体が振動してるしこれはエンジンかかったな!
『【操縦】を獲得しました』
よし、スキルを手に入れたぞ。
頭の中にこいつの動かし方がどんどん流れ込んでくる。
これなら動かせるぞ!
とりあえずコックピットのハッチを閉じる。
そしてモニターを表示させる。
おーモニターを起動したら不思議な文字の羅列が……あれ?
なんか所々、漢字が混じってないか?
うーん……まあ、気のせいか。
異世界に漢字があるわけないもんな。
さて、動かせるようになったしひとまず地上に出るか。
巨人サイズのロボットの手ならザクザク掘れるだろきっと。
――ザクッザクッザクッ。
掘るのすごい早い。
っていうかこれ俺のスキルが発動してないか?
すごいなこのロボット……いや、考えてみればこれも道具なんだし当然か。
スコップで掘るのもロボットで掘るのも一緒ってことね。
あ、掘り進む方向は気を付けているよ。
自分の住処が陥没しちゃったら最悪だからね。
――ザクッザクッザクッ。
たぶんもう少しで地上に出るんじゃないかな。
あともう少しだ頑張れ頑張れ……やった、地上だ!
えっと、ここは住処から結構離れてるな。
まあ、歩行訓練も兼ねてゆっくり行きますか。
木の根に引っかかって転ばないように注意して歩かないとな。
……おや、あそこにいるのはウルフじゃないか。
俺を見ればすぐに襲いかかってくるウルフが警戒してる。
そりゃそうだな、こんなのがいきなり登場したらビビるよな。
あ、ウルフが逃げていったぞ。
うむ、なんだか強くなった気分だ。
実際は虎の威を借りる狐状態だけどね。
よし、住処へ戻るとするか。
ブルーウルフがこいつを見てどんな反応をするか楽しみだ。
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