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プロローグ

初投稿です。

誤字脱字ありましたらごめんなさい。

 白い砂浜に一つの木箱が打ち上げられていた。

 子供一人が入りそうなそれは、長い間波にもまれていたらしく所々に打ち付けられた釘が潮で錆ついていた。

 箱はぴくりとも動かずそこにあり鳥の止まり木の代わりになっていたが、数秒後、羽休めをしていた鳥たちが唐突に空へ飛び去っていった。

 何が起きたのか。

 そう疑問を挟む余地もなく、まるで生きているかのように箱が左右に揺れだした。揺れは段々と大きくなり、ついにガタリと転がってその向きが変わったかと思えば、側面を壊して内側から人の足が生えた。

 ほっそりとしたその足は何度も木箱を蹴りとうとう一面を破壊すると、砂を撫で、踏みしめて感触を探るように全容を現した。

 箱から出てきたのは十三、四才程度の少年だった。薄灰色の髪を鼻先で躍らせながら、少年は辺りを見回し掠れた声で言った。

「――ここ、どこ?」

 遠くの水平線上には何も見えず、振り返れど後ろは深く続いている森だけで人の気配は無い。

 少年はふらつく身体を両足で支えながら立ち上がり、羽織っていた襤褸を箱の上に脱ぎ捨て歩き始めた。

 それが三日前の、良く晴れた朝のことだった。

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