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ショートショート2月~

ゲーム

作者: たかさば
掲載日:2021/02/09

机の上に、カードが二枚、ある。




Yと書かれた、赤いカードが、一枚。


Nと書かれた、白いカードが、一枚。




…これは、何のカードだろうか。




「これは、使うもの?」




Yと書かれたカードが、鈍く光った。


…なんだ、これは。




「これは、ただのカード?」




Nと書かれたカードが、鈍く光った。


…なんなんだ、このカードは。




思わずあたりをきょろきょろと…見まわす。


あたりに、人の姿は、ない。




…何に使うカードなんだろうか。




「これは、ゲーム?」




Yと書かれたカードが、鈍く光った。




…なんだ、ゲームか。


ならば、楽しませて、もらおうか。




Yがイエスで、Nがノーだよね、多分。


…確認しておこうか。




「私はおなかが、空いている?」




Nと書かれたカードが、鈍く光った。


…そうだね、私はさっき食事をしたばかりだから、おなかがいっぱいなんだ。




Yがイエスで、Nがノー。


…さて、このカードは、どこまで教えて、くれるのか?




「カードで、未来はわかる?」




Yと書かれたカードが、鈍く光った。


…なるほど、うまく使えば、予知が可能なのか。




「私は、この世界を手に入れることができる?」




Nと書かれたカードが、鈍く光った。


…なんだ、カードの予言の力があっても無理なのか。




百発百中の予言ができるなら…なんとかなりそうなんだけどな。


…私には、そんな大それたこと、できないってことか。




「私は、成功することが、できる?」




Yと書かれたカードが、鈍く光った。


…なんだ、それなりに満足はできるのか。




だったら…世界は別にいらないか。


…規模が大きいと、めんどくさいし。




「このカードを使って、私は成功する?」




Nと書かれたカードが、鈍く光った。


…あれ、カードで無双するんじゃ、ないのか?




普通に生活して…イイ感じに成功するってことだろうか。


…ちょっと待って、もしかして。




「カードには、使用回数に、限りがある?」




Yと書かれたカードが、鈍く光った。


…しまった、質問の無駄撃ちをしてしまったみたいだ。




せっかくの予言カードを、つまらない自分クイズで消費してしまった。


…質問は、慎重に考えないと。




「使用回数は、増やせる?」




Nと書かれたカードが、鈍く光った。


…なんだ、増やせないのか。




ならば…回数分きっちりと楽しむしかない。




…そうか、これはゲームだと言っていた。




ちょっとした時間を潰すための…ゲームに、すぎなかったのか。




…真実を教えてくれる、暇つぶしのための、ゲーム。




二枚のカードが教える…真実を確認する、ゲーム。




…私が、確認した方が良い事を、聞いた方がいいか。




私にはわからない、確認すべき、案件。




・・・。


・・・。


・・・。




「私は、人間に、見えている?」




カードはどちらも、光らない。


…なんだ、もう使用回数がなかったのか。




終わってしまえば…実につまらないゲームだったな。


…時間つぶしには、なったけれど。




私は、足元に置いてあった愛用の鎌を抱え…闇に、身を、包んだ。



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― 新着の感想 ―
[一言] ただの死神の暇つぶしですか。 なんだただの死神かー。なーんだ。 成功するってことは、まぁ、そう言うことですね……。
[良い点] 温度差がすごい。一気に冷める感じ。 [気になる点] 『鎌』もうこの一言で分かるんです。神と悪魔たん。 [一言] まったり。
2021/02/09 23:37 退会済み
管理
[良い点] yesとnoを変えるところが斬新ですね。 すごく個性的で、なぜかしんみりしました。 面白かったですよ。
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