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12 彼女の正体

 デート当日の週末。

 休日だというのに真面目に起きている雫に笑顔で見送られ、俺は待ち合わせ場所である駅前の広場に足を運んでいた。

 約束の時間までこの調子で行くと三十分前には到着してしまいそうだったが、やることもないので早めに家を出た。

 天気は雲ひとつない晴天。絶好のデート日和となった。心なしか足取りも軽く感じられ、予想どおり三十分前には駅に到着することができた。


 そうここまでは予定通りだったんだ。

 恭介にデートで女性を待たせるのは愚の骨頂だ! と昔に力説され。柚月にも男のデートは待つところから始まるの、とメールで注意を受けたのを思い出す。だから予定より三十分前にいる俺がここにいる訳でして……。


「……クララ?」

「……あっ! 遥真さん」


 俺より早く着いていたクララの後ろ姿に声を掛ける。振りかえったときの笑顔がやけに眩しく感じるのは罪悪感のせいかもしれない。


「ごめん。待った?」

「いえ、今来たところですよ」


 あー確実にセリフが逆だよ!

 まさか初めてのデートでこんな失態をするとは……柚月に知られたら一時間正座で説教だな。


「今日のお誘いありがとうございます。すごく楽しみです」

「う、うん。じゃ、じゃあ早速行こうか」


 俺はもう一回『ごめん』と心の中で謝りながら最初の目的地へと足を進めた。


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