第11話
「俺は別に助けを求めてない」
「もー…それが駆けつけてきてくれた女の子にいう言葉?」
「女の子はこんな場所にいたら危ないから早く帰りな」
「絶対その言葉優しさからきてないよね!」
「ああ、察しが良くて助かる」
「ひどーいっ!!」
「そもそも俺は助けなんていらない」
「…へー」
「な、なんだよ…」
「あのお肉、もう食べたくないんだぁ」
「っ!?」
「もっとおいしいお肉食べたくないのかなぁ?」
「助けてくれ、俺にはお前が必要だ。」
「しょーがないなー!助けてあ・げ・る!」
こうして仲間が増えた。
「で、これからどーすんの?」
「その前に寝床を探す」
「寝るとこなら魔王城に「行かない」ですよねー…」
「帰りたいなら一人で帰れ」
「こんな、暗い森を女の子一人で帰らせるつもり?私死んじゃうよぉ」
「嘘つけ」
「まー、嘘だけど。それでもこの森は一人では危ないんだよー」
「…」
「ここで、一人暮らしは自殺行為だよ?」
「…はぁ、さっさと寝床探すぞ」
「うんっ!」
いくら歩いても木、木木木木木…はぁ…この森広すぎんだろ…
「おい、どっかに野宿に最適な場所ないのかよ」
「あるよー」
ぶちっ
俺の中でなにかが切れた。
「あるんだぁ…じゃあ何故今まで言わなかったのかなぁ?」
「いったあああああああいっ!!!ごめんっ!ごめんってば!あああああ!」
「…さっさと案内しろや、魔王の娘」
「くはっ…はぁ…急に何すんのよ!」
「もっとやってください?」
「コッチデース」
そこは、高さ十メートルはあるだろう巨大な洞窟だった…
「…でかくね?」
「ねー!二人で住むにはちょうど良くない?」
「いや、出過ぎだろ…」
「いやー!大きくて困ることはないよー!」
「…そうか?」
「まー小さいことは気にせずごー!!」
「気になるほどでかいんだが…」
俺らの歩く音と水の滴る音が洞窟内に響いていた
「なあ、ここって何の洞窟なんだよ」
地面がまるで整備されているかのようにでこぼこが少なく非常に歩きやすい
「さー、しらなーい…うそうそっ!知ってるから!その手を引っ込めてっ!」
「で、何の洞窟なんだよ」
「まー、説明しなくてももーすぐわかるんだけどね」
「おい、それってどーゆー…っ!?」
洞窟の奥からは尋常じゃない程の威圧を放つなにかがいた…
本能が盛大に警報を鳴らしている
「あー、縄張りに入っちゃったー」
「お、おい…なんなんだよ…これ…」
「まだ分かんないの?」
「いいから答えろ!」
「はぁ…ここはねドラゴンの住み処だよ?」
「は、はああああああああああっ!?」
「ドラゴンは強いよお!あなたじゃあ手足が出ないぐらいね!」
「お、おい!じゃあどーすんだよっ!!!」
「さあねー!あ、気合い?あ、私逃げるから!じゃあ、寝床の確保よろしくぅ!」
「おい!てめぇ!」
「バッイバーイ!」
「おい!魔法で逃げんのはずりーだろ!!!」
お、俺も早くにげn
それは本能のなせる業だろうか。
俺はひたすらに全力で横に跳んだ…
ズドオオオオオオオオオオオオオンッ
「は?」