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カウントダウン

作者: 倉科 葉

処女作です。至らない部分が多々ありますが、一度目にして自分なりの感想を抱いていただければ幸いです。

とても寒い日の夜。ホームレスである私には大変苦しい時期だ。いつも下を見て生活をしている私に、手を差し伸べてくれる人はいないのだろうか。まあ、家も無い、自信も、また新たなる一歩を踏み出す勇気も体力も、何一つ持ってやしないこんな人間には誰しも見向きはしないなんて事は、とうの昔に分かっていたのだが。

すると、一人の青年が私の前に現れ

「今日から15日」

と言った。わざわざ日付けの報告か?まあ、もう日付感覚すら無くなっている私にとってはありがたかったが。

その青年は次の日も真夜中にやって来て

「14」

と言って去っていく。昨日より数字が少なくなっている。始めのうちは気のせいかと思ったが、次の日も、また次の日も確実に前の日より小さい数字を言っては去っていく。私がやっとカウントダウンだと理解した日にはもうすでに10を切っていた。

気にはしていたが別に深く考えていなかった。気にしたところで何か変わる訳でもあるまい。という思いがあった事と、連日の寒波のせいか体に力が入らないうえに、その事を考えている気力が既に無くなっていた。

そうしている間にも青年は、欠かさずやって来てはやはり前の日より小さい数字を言って去っていく。

時は流れ、青年は最後の前の数字である「1」を述べる。去り際に

「あと1日だよ。これで最後だね。」

と言った。私が

「何が最後なのだ。」

と言った時には彼はもう居なかった。最後。今まであまり気にしていなかったが、彼の言葉からとてつもな

い重みを感じた。何についての最後なのか分からないが、今までの15日間の日常に終わりが来る事は、少しばかり淋しかったりする。

夜。今日はいつにも増して寒い。正直もう限界に近い。凍える身体に強い風。雪まで降ってきた。みんなでたかって私の事を責め立てる。ここでふと、あの青年が言った「最後」の意味が分かった。あれは死へのカウントダウンで、今日がその最後。つまり今日が私の命日である事をあの死神は15日間欠かさず私に伝えていた、という事だ。

理解したところで解決はしない。私はその時をただ待とう。そう心を決めた時、あの青年が現れる。彼が発した言葉は、

「0」

死の宣告だ。この世界ともお別れか・・・。と思った矢先、

「あけましておめでとうございます。去年のあなたはよく頑張りました。今年は良い年になりますようにということで、私からのお年玉です。」

青年はそう言うと大量の紙幣と暖かそうなコート、そして日めくりカレンダーをくれた。私が不思議そうな顔をすると、

「去年頑張ったあなたへのご褒美です。私の死へのカウントダウンから逃れたあなたへ。」

そう言うと青年は何とも美しい死神の姿に変わり、最後に

「それではあなたの幸福をお祈りします。」

と笑みを浮かべ、遥か彼方へと飛び去って行った。

いかがでしたでしょうか。青年の真の狙いは何か、少しだけでも考えてみて下さい。「私」を思う「死神」の真の姿が少しでも伝われば、私は幸せです。

今回本作品を閲覧いただいた方に海よりも深く、山よりも高い感謝を。

また機会がありましたらどうぞよろしくお願いします。

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