栞のように確実な
また日も出ていないに、目覚めた。時計は4時を示していた。もう一度、と布団を被り直し、何も考えずにいたが、そのうち嫌なことを思い出し始め、体を起こした。
頭の中に気持ち悪さがあり、陽が登る前に全てを嫌いになりそうだった。
歯を磨き、口を開くと、唾液に血が混じっていた。
自分の顔を拝みたかったが、そんなものここにはなかった。
豆乳にパンを浸し食べた後、今度は歯磨き粉をつけて歯を磨き、その後手だけを頼りに髪をとかした。
その後、もう目を閉じるのは嫌で、カバンから二枚の紙を取り出し、何かが書いてある方をしまい、白紙の方に何かを書き出した。
紙が文字で埋まり、何かが書いてある方の裏に書き出した頃、今に起きるための音が鳴り響いた。
本屋にいる人が憎い。彼らは本を買うことが普通なのだ。そういう生活をしている。それができる生活をしている。それができるだけの環境または援助がある。
今すれ違う人の中で私以下はどれくらいいるだろう。今すれ違った人の中で私以上はどれくらいいるのだろう。
やはり公園には、すでに人がいた。その人たちに軽く会釈をし、目的へ向かう。
座り、左手に持っていた本を開き、目を細めた。
どんな本を読んでいたか、古いライトノベルだったかもしれないし、何か雑学について触れている本なのかもしれない。私が何を読んでいるかなんてどうでもいいのだ。
眠っていた。まあ、これが目的だったのかもしれないし、失っていない日課だったのかもしれない。
驚いた。隣で、年老いた人が私の手にあるはずの本を読んでいたのだ。
老人は本を手渡し、去る前に、空色と夜色の栞をくれた。交わされた言葉は私がありがとうと言った程度だった。
本を読んだ後、左目を瞑り、公衆トイレに入った。用を足し、左目を開けた後、手を洗い、水を飲んだ。
9時10分頃、公園を出て、図書館についた。受付の人に本を渡し、何も挟まっていないか確認するとき、挟んだままの栞が落ちた。受付の人、十鄕さんはその栞を褒めていた。私は反応に困る。
二階へ行き、正面にある棚のうちから一つ選び、左上にある本を選んだ。題名も見ず、足を進めた。
はじの方にある並べられた椅子、その左から二番目に一人座り、その本を開いた。
二度目、本が読みにくくなってきた頃、人が増えてきた頃、もう帰ろうと思った。今日も早く寝ようと思った。
気づいたら、仕切りの向こう、左の椅子に、青年が座っていた。大学生というのは、こんなにも暇なのだろうか、それとも?そんなことはどうでもよく、静かに立ち、静かに図書館を出た。すれ違う人の目がこっちを向いているのは、その私でもわかった。
オドという呼ばれ方で、数回呼ばれた程度だが、私は中学生だ。のっぽでいくら日を浴びても白いままの、不健康で不健全な少年だ。昨日が日曜日だったことなど、とっくに気付いていた。
彼、を初めて見たのはその日だった。栞をもらっていなければ、覚えてなどいなかっただろうが。
入学式というものをもう一度迎えてから、誰にも話しかけず、帰れるのなら素早く帰宅するという生活を繰り返した。
あの頃のように、登校しないようであれば、当たり前のように叱られるのである。事務的に教育できない大人というのは、こうも無残な理解力で生きていけるというのだから、素晴らしい。人の多くが公務員を勧められる理由がなんとなくわかる。
部屋を出て、耳栓を外したら。
なんと、私は、私は本屋に向かって歩き出したのだ!
本屋というのは以外と力仕事で、本の重みを知るために重要な社会経験である。
あいにく、私の通う高校で、本を読むような奴はおらず、時々下を向いているメガネがライトノベルを買う程度だ、私も同じようなものだが。
6年以上ろくに使われていなかった喉も、ようやく声を出せるようになり、そうなると同時に、金銭的普通がどれほど幸せで、それを享受している奴らがどれほど妬ましいものかを学んだ。
封筒が濡れないか心配だった。私は、二度目の給料というものを受け取ったが、本屋に還元することなく、図書館に向かったのだ。
年々、通う人が少なくなっているような気がした。閉館が近いのもあるが、もう少し人がいた気がする。顔を見ていないので、わからないが。
…静かなのはいいことだ。
いつも通り、と言っても二ヶ月近く来ていなかったが、左目を閉じ、触れた本を引き抜いた。目で、その題名を見てから、椅子に向かった。
左から二番目というのは一番落ち着くような気もする。
ちょうど左の椅子には、その日の彼が座っていた。




