表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
171/308

別の年の<俺>  四月 寒の戻り

投稿エラー? 

同じシリーズでも別に分けている「何でも屋の<俺>の四季」と同時くらいに投稿したら、こちらに用意した文章が消え、あちらに投稿したものがこちらと二重投稿になりました。今、同じ話が並んでいます。


改めて投稿し直します。ちゃんと反映されるでしょうか……。

週末からの寒の戻りで、風邪を引くお年寄りが続出。

元々の予定の合間を縫って、急遽増えた依頼に走り回る俺は昼飯を食う暇もないほど忙しい。


初めて預かる犬の散歩には気を使うし、その犬の飼い主の石田さんの体調も心配だ。石田さん、御年七十歳。しかも独り暮らし。見るからに顔色が悪いのに、病院へ行くのを嫌がる。そのくせ、立っているのがやっとの状態だ。


これはヤバイ、散歩から戻ってきたら倒れてるかも、と判断した俺は、石田さんをなんとか説得して病院に行ってもらった。救急車はイヤだ、とダダをこねるので、タクシーで緊急外来へ。お年寄りの風邪は肺炎が怖いからな。


結局、石田さんは入院することになった。石田さんの愛犬のタロも何かを感じるのか、心細そうにひんひんすぴすぴ鳴いている。家の鍵までは預かってなかったので、タロが外飼いで良かった。小さな庭に、居心地の良さそうな手作りの犬小屋がある。


慌しく済ませた散歩の後、犬小屋にタロを繋ぐ。石田さんから聞いた通り、物置にドッグフードがあったのでそれを与え、散水用らしき蛇口から大きな器にたっぷりと水を入れてやる。


食欲のなさそうなタロを撫でながら、じーちゃんはすぐ帰ってくるからな、大人しく待ってるんだぞ、と言い聞かせたんだが、・・・タロはしょんぼりと犬小屋の中に籠ってしまった。


ま、しょうがないよな。明日の朝と夕方には様子を見に来てやろう。散歩と餌の世話もやってやるさ。


そこまで頼まれたわけじゃないけど、サービスだ、サービス。何せ、生き物だからなぁ。病院に着いた頃には、石田さん、半ば朦朧としてたし、タロのことが心配でも、何かを言う余裕なんてなかったはずだ。まさかこんな急激に体調が悪くなるなんて思わなかっただろうなぁ。


石田さんには、タロのためにも早く良くなってもらいたい。突然の風邪は本人も辛いが、ペット含めて回りも大変だ。


寒の戻りにはご用心。いや、ホントに。

俺も気をつけよう。うん。


さて、次は田所のお婆ちゃんに頼まれた灯油の配達だ。四月になったけど、まだまだこんなふうに冷えたりするからな。

「寒の戻り 余波」を明日投稿します。 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
□■□ 逃げる太陽シリーズ □■□
あっちの<俺>もこっちの<俺>も、<俺>はどこでも変わらない。
『俺は名無しの何でも屋! ~日常のちょっとしたご不便、お困りごとを地味に解決します~(旧題:何でも屋の<俺>の四季)』<俺>の平和な日常。長短いろいろ。
『古美術雑貨取扱店 慈恩堂奇譚』古道具屋、慈恩堂がらみの、ちょっと不思議なお話。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ