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いつかの年の<俺> 藤の蔓 その8

「えーと、もしかして、こういうことかと思うんですけど」


俺は考え考え、住職に訊ねてみた。


「なんて言うのかな、例えば、樹齢何百年の大木を切り出して運ぼうとしたら、押しても引いても動かなかったのに、酒を供えて手を合わせてお願いしたら、それまでのことが嘘みたいに簡単に運び出すことが出来たとか、霊柩車のエンジンが急にかからなくなって困った時、故人と親しかった人がお棺を撫でたら普通に動き出したとか、そういう話ありますよね」


「はい、ありますね」


「藤の蔓もそういうことなんでしょうか、つまり、その、うまく言えないんですけど、納得してもらうっていうか、諦めてもらうっていうか、そのままでいてもしょうがないですよ、っていうメッセージっていうか」


だんだん自分でも何を言ってるのか分からなくなってきたけど、住職は頷いてくれた。


「そうですね、そうかもしれません。蔓は先だけ切り取るわけですから、それが<断ち切る>というしゅになるのかもしれませんね。俗世の未練から」


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□■□ 逃げる太陽シリーズ □■□
あっちの<俺>もこっちの<俺>も、<俺>はどこでも変わらない。
『俺は名無しの何でも屋! ~日常のちょっとしたご不便、お困りごとを地味に解決します~(旧題:何でも屋の<俺>の四季)』<俺>の平和な日常。長短いろいろ。
『古美術雑貨取扱店 慈恩堂奇譚』古道具屋、慈恩堂がらみの、ちょっと不思議なお話。
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