表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
155/308

いつかの年の<俺>小話 6月23日。 狛犬きょうだいの夢

音も無く水面に輪がいっぱい出来るから、アメンボウが泳いでるのかと思った。


いや、違う。雨だ。曇ってはいても明るい空から、銀の糸を引くように、後から後から降ってくる。ああ、これは水田だ。緑の苗が生き生きしてる。田植えが終わったのか・・・


ふと目を上げると、見渡す限り四角の水田。まるで湖みたいだ。草いきれに包まれた水の匂いって、何でこんなに落ち着くんだろう。


くすくすくす。

くすくすくす。


どこからか、子供の笑い声が聞こえてくる。眼を凝らすと、幼い男の子が二人、田んぼの真ん中を楽しそうに走り回ってる。それにしては水音が聞こえないし、真っ直ぐに植え付けられた苗が踏み荒らされるわけでもない。


子供たちの姿が、いつしか仔犬に変わってる。くるくると、元気良く走ってる。


・・・

・・・


そうか、これ、夢なんだ。

あの子たちが俺の夢の中に遊びに来たんだ。阿吽の狛犬の兄弟が。


──ねぇ、おじさんも遊びにおいでよ。


最後に、子供たちの誘う声が聞こえたような気がした。


狛犬きょうだいについては、『古美術雑貨取扱店 慈恩堂奇譚』をどうぞ。同じシリーズです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
□■□ 逃げる太陽シリーズ □■□
あっちの<俺>もこっちの<俺>も、<俺>はどこでも変わらない。
『俺は名無しの何でも屋! ~日常のちょっとしたご不便、お困りごとを地味に解決します~(旧題:何でも屋の<俺>の四季)』<俺>の平和な日常。長短いろいろ。
『古美術雑貨取扱店 慈恩堂奇譚』古道具屋、慈恩堂がらみの、ちょっと不思議なお話。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ