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いつかの年の<俺>小話 節分

今、俺は人間じゃない。


鬼だ。


「きゃー!」

「おにはそとー!」

「ふくはうちー!」

「あっちいけ、おにー!」


甲高い声ではしゃぐ幼稚園の子供たちに豆をぶつけられながら、鬼の俺は運動場を逃げ惑うふりをする。やけに凝った出来の鬼の扮装、誰だ、こんなん作ったの。まるでナマハゲじゃないか。


ふと教室の窓を見ると、ここで唯一の男の先生がすまなさそうに俺を拝んでる。俺がボランティア引き受けなければ、彼がこの豆つぶてを浴びてたんだな。


「おにー、おにー、まてー!」

「おにはそと!」

「にげるなー!」

「おにはーそとー!」


・・・盾と矛って知ってるか、子供たちよ。知るわけないわな。豆だって、下手に当たると痛いんだぞ。パラパラパラパラ、ったく、9ミリパラペラムかってんだ。


この、子鬼どもめ。


2010

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□■□ 逃げる太陽シリーズ □■□
あっちの<俺>もこっちの<俺>も、<俺>はどこでも変わらない。
『俺は名無しの何でも屋! ~日常のちょっとしたご不便、お困りごとを地味に解決します~(旧題:何でも屋の<俺>の四季)』<俺>の平和な日常。長短いろいろ。
『古美術雑貨取扱店 慈恩堂奇譚』古道具屋、慈恩堂がらみの、ちょっと不思議なお話。
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