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ある年の<俺>小話 12月20日。 芙蓉の誘い 2 終

俺だって、依頼を断ることがある。<何でも屋>といっても、出来ることと出来ないことが・・・


「クリスマスパーティーで、ホステス役~?」


思わず語尾が跳ね上がる。ホステスだぞ、ホステス。ホストじゃなくて。いや、ホストでも無理があるけどさ。


──報酬ははずむわよ、な・ん・で・も・や・さん?


携帯電話から聞こえる芙蓉の声は、男とも女ともつかぬ不思議なトーンだ。口調も女言葉だし、今現在女装中なわけだな。


「断る。ホステス、ってことは、女装だろ? クリスマスの仕事予定はもう決まってるしな」


──あら。残念だわ。もっと早くから予約しておけば良かったのね。


「そういう問題じゃない。忘年会のお誘いも断っただろ、俺」


──そうだったわね。でも、うちみたいなお店は、年末がかき入れ時なのよ。忘年会でしょ、クリスマスパーティでしょ、今年はカウントダウンパーティも予定してるから、とても忙しいの。人手がいるのよ。


「だから! 女装させるつもりだろ?」


──当然じゃない。


そう答える声は、笑ってる。


「裏方ならいいけど、女装はダメ。ということで、そちらの依頼はお請け出来かねます。悪しからず!」


さらに高くなる笑い声を強制終了。ついでに、電源も落とす。


ったく。単に俺をからかいたかっただけじゃないのか、芙蓉のやつ。俺だって、年末は忙しいんだ! ・・・一応。


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□■□ 逃げる太陽シリーズ □■□
あっちの<俺>もこっちの<俺>も、<俺>はどこでも変わらない。
『俺は名無しの何でも屋! ~日常のちょっとしたご不便、お困りごとを地味に解決します~(旧題:何でも屋の<俺>の四季)』<俺>の平和な日常。長短いろいろ。
『古美術雑貨取扱店 慈恩堂奇譚』古道具屋、慈恩堂がらみの、ちょっと不思議なお話。
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