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先輩は。
短めですよvv
「とぼけないで下さい。何ですか、あの可哀想なぬいぐるみは」
声がした方を見ると、燐乃先輩の顔だけが、上から覗いていた。
先輩はニッと笑うと、身軽にこちらへ降りてくる。サラサラした髪が、光に反射して輝いた。
「そんなに喜んでもらえるとは……。俺も嬉しいよ」
立っている僕の隣に、先輩は座った。僕もつられて座る。
眩しそうに目を細めると、先輩はゆっくりと目を閉じた。とても気持ち良さそうにしているものだから、つい見とれてしまう。いや、BL的な意味では無いけども。
静かな屋上。風の音と先輩の寝息だけが、僕の耳に届いている。
……って。
「先輩!? 」
慌てて肩を揺さぶると、先輩は片目だけを開いた。
なんだかぼんやりとしていて、焦点が定まっていない。
「……おやすみ」
その一言呟くように言うと、先輩は再び目を閉じた。早速、規則正しい寝息が聞こえ始める。
煌めく太陽を背に、僕は盛大なため息をついた。