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少年少女とチョコレゐト
ある日の昼下がり。
空港から少女が姿を現した。
少女は大口を開けて欠伸をすると、1人でニヤリと笑った。
「ただいま、です。」
そう呟き、鞄を持ち直して歩き始める。
***
「……なんだこれ」
目に映る光景に、僕はこういうしか無かった。
机の上にあるのは、無惨にも引き裂かれたクマのぬいぐるみ。さらには腹部に赤いものがべったり。
嫌がらせと
僕はぬいぐるみをリュックに詰め込むと、ダッシュで教室を出た。
勿論、あの人に会うために。
バァァァンッ
屋上の扉を力一杯開け放つ。今日は良い天気だなぁ……じゃなくて。
「燐乃先輩っ」
広い屋上には人影一つ無いが、先輩はここにいる筈だ。
だが、一向に返事は無い。もしや、違ったのか?
「早かったね、悠影。ところで…どうしたの?」






