最後の春休み
別れの季節なので書いてみました。
ガタン・・・ゴトン・・・
あなたは今でも私を覚えていますか?
話すことすらなくて、目が合っただけでも私は嬉しかったの・・・。
ねえ、何処かで私を見つけたら、私と分かってくれる???
きっとあなたは私のことなんて覚えていないよね・・・。
揺れる電車。
ガタン・・・ゴトン・・・
過ぎ行く景色。
ガタン・・・ゴトン・・・
卒業を迎えたあの日から、もう幾度も春は巡ったのに・・・
私の想いは変わらないの。
あなたに思いを馳せても・・・
ゆれる景色と共にきえていくの・・・
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私との接点なんてひとつも無かった、あなた。
だけど・・・
誰にでも優しくて、いつも楽しそうにしているあなたの姿は私にとって憧れでした。
それは届くはずの無い想い。
それは・・・私の片想い。
言いようの無い愛おしさに狂いそうになるの。
高校を卒業すれば、あなたはいずれ私のことなど忘れてしまうのでしょうね。
そして新しい環境で、新しい友達と笑い会うの。
せめて・・・気持ちだけでも・・・。
だけど、臆病な私にはそんな勇気・・・あるわけない。
ゴメンね。
私に、ゴメンね。
せっかくココまで人を好きになれたのに・・・。
出来れば心の片隅でも構わない。
贅沢なことは言わないから・・・
だから、お願い。
少しでも私の存在を覚えていてほしいいの。
コレは私の精一杯の勇気。
あなたのことを想っていた「私」がいたことを知って下さい。
「ずっと好きでした」
口に出して言えないけど、
ずっと・・・ずっと・・・あなたのことが好きです。
これから、私も新しい人を好きになって、
そしていつかはあなたを忘れるのかもね・・・。
それでも・・・この街を離れる、「今」の私の気持ちを残したいの。
あなたの机に残した私の最後の勇気。
使ったシャーペンは大事にするよ。
さよなら。愛しい人。
最後の春休みは切なかった。
でも、陽光のせいかな・・・?
少しだけ、幸せな気分なんだ・・・。
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揺れる景色・・・
あなたへの思いは変わらない・・・
あの最後の春休みのように・・・
今も私は・・・
私は・・・
視線を上げると向かいに座っていた人と目が合った。
ガタン・・・ゴトン・・・。
揺れる電車の中。
「久しぶり。」
それは愛しいあなたの声でした。
最後まで読んでいただき有難うございました。
まだまだ未熟ですが、今後ともよろしくお願いします。感想などいただけたら嬉しいです。