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捨てられなかった服たち

木曜日。

親には「友達の家で勉強してくる」って言って、先輩の豪邸へ。

相変わらずの圧倒的な豪邸。門をくぐるだけで胸がざわつく。


リビングに通されて、ソファに並んで座る。

先輩はいつもの優しい笑顔で、ノートPCを開いた。

「ネットで調べたんだけど、女の子と男の子って、身長が同じでも体型の違いで、

男の子が女服を着こなすのって実は難しいんだって。

肩幅とウエストのラインが違うから、ただ着るだけじゃ野暮ったくなっちゃう。

だから、体型をカバーする服選びと、着こなしのテクニックが必要なんだよ」


先輩、僕のためにこんなに調べてくれたんだ……。

胸が熱くなった。「まずはこれ。私の服の中から、あかねに合いそうなのを何着か用意してあるよ」


そう言って、先輩が立ち上がる。

「その前に、上半身だけ脱いでね」

言われるがままに、Tシャツを脱いだ。

先輩が背後に回って、右手、次に左手に何かを通す。

次に、背中でパチン!って音がして……急に胸が苦しくなった。


「えぇ? なに……?」

鏡を見たら、僕、薄い青のブラジャーを着けていた。

女の子の服には慣れてきたつもりだったけど、ブラは別格。

顔がカーッと熱くなって、赤面MAX。

「どう? 着け心地は?」って先輩に聞かれるけど、しどろもどろで言葉が出ない。


「落ち着いて。あかね、ネットで調べたんだよ。

肩幅の違いをカバーするには、ブラで胸を目立たせるのが効果的。

そうすると、広い肩が目立ちにくくなるんだって」

説明は半分くらいしか頭に入ってこなかった。


胸周りの締め付け、肩や背中に感じる今までにない感覚。

男の下着じゃ絶対味わえない、守られてるような安心。

でも、鏡越しに見る自分の姿……ブラの膨らみが、かなり胸を大きく見せてる。


ちょっと落ち着いてきた頃、先輩が話し始めた。

「このブラね、私が中2の頃に親に無理を言って買ってもらったブラなの。

その頃、同じクラスの子で私より背が低いのに胸が大きい子がいて。

その頃ね私は168cmくらいあったのに、胸が全然で……。

男子がそれをからかって、私は気にしてなかったつもりなのに、

母に『あかりは大きくならないの?』って聞いたり、たくさん食べたりしたけど、

背ばっかり伸びちゃって。

それで、ネットで『胸が大きく見えるブラ』買ってもらったの。

でも、着けた始めた半年後くらいから急に胸が大きくなり始めて……今はこんななのよ」


先輩が振り向いて、胸の下に手を置いて、ブラブラと揺らしてみせる。

ユラユラ……。

「触ってみる? 本物って結構重いんだよ」って、満面の笑みで。 「大きい……」って、思わず呟いちゃった。

「今じゃもう必要なくて、全部捨てたと思ってたんだけど、1枚だけ残ってて。

あかねに合うかな?って思ってね。どう? 着けた感じは?」


「どうって……分からないです」

それで、先輩がブラの上から触って、サイズを確認。

服を着せて、鏡の前でバランスチェック。

「うん、良くなった! でも、ブラはワンサイズ上げた方がいいかも。

アンダーがきつそうね。男の子だもんね」


メジャーを取り出して、アンダーバストを測り始める。

「ついでに」って、トップバスト、ウエスト、ヒップ、股下まで全部測られた。

メモにびっしり書かれて……なんか、完全に女の子扱いされてる。

胸のざわつきが、止まらない。


次は、週末に着る服のセレクト。

先輩がクローゼットから、何着も可愛い服を抱えてきた。


「これね、私が中3の頃の服なの。

さっきも言ったけど、中3から高1にかけて成長が止まらなくて。

こんなに可愛い服なのに、あっという間にサイズが合わなくなっちゃって。

母からは『捨てなさい』って言われたけど、服が可哀想で捨てられなかったの。

だからクローゼットがパンパンなんだよ。

高校卒業までは取っておくつもりだったけど……

私の服を着てくれる可愛い妹ができた今、全部あかねにあげたい」


先輩が、後ろからぎゅっと抱きしめてきた。

「私の服を、自分の服だと思って、たくさん着てね」


……もう、逃げられない。

先輩に悲しい思いをさせたくない。

先輩が名付けた「あかね」が、どんどん好きになってきてる。


デート服は、先輩とのコーディネートを考えて3着に絞った。

当日の気分で選べるように。

ナプキンも、夜用ロング、羽つきスリム、超スリム……いろんな種類を3枚ずつもらった。


21時前、名残惜しくて帰るのが嫌だったけど、

先輩に「明日は学校でね♡」って送り出されて帰宅。


家に帰って、鏡の前でブラを着けたまま自分の姿を見た。

……これが、あかね。

週末のデート、何をされるんだろう。

もっと深い秘密を、共有しちゃうのかな。

胸の奥が、熱くて、疼くような感覚。

もう、戻れない気がする。



読んでいただいてありがとうございます

ますます女装にはまっていくゆうな君

次回からドキドキのあかね先輩との女装デートが始まります

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