タイツのプレゼント
12月に入り、街は徐々にクリスマスカラーに染まりだして、あの暑い夏が恋しい季節になってきた。
僕は元々寒がりなので、既に制服のズボンの下には防寒用のタイツを穿いていた。同級生には笑われていたけど、寒さには我慢できなかったんだ。でも、あゆみちゃんやあかり先輩は寒いのに制服のスカートの下は生足だったよ。
僕は「寒くないの?」って聞いたら、あゆみちゃんは「JKは生足が基本なの! 寒くても我慢するの!」と胸を張って言っていた。あかり先輩も「JKでいられるのもあと数ヶ月なの! 生足で外を歩けるのもJKの証なの!」と、寒さに耐えながら笑っていた。正直、生足を見れるのは嬉しかったけど、僕には理解できなかったよ。
冬はオシャレができるからと、久しぶりに僕を女装させて3人で出掛けたんだ。でもね、2人に僕はロングスカートをコーディネートされて、可愛く決まっていたんだけど、「ロングスカートだから大丈夫だよ」と言っていたのに、一歩外に出たら生足だったので寒くて「無理です!」と言って戻ってタイツを穿いたんだ。2人は「ゆうな君はJKにはなれないね」と笑っていたよ。2人は膝下のスカートでも平気そうで僕には信じられなかった。そのくらいに僕は寒さが苦手だったんだ。
そんな12月の初旬が過ぎ、期末テストの時期になり、僕とあゆみちゃんの勉強会も期末テスト対策に変わっていた。放課後に学校の図書館で勉強をしていたよ。でも今日は勉強に身が入っていなかった。机の上のスマホが気になってしょうがなかった。
2人共にスマホをチラチラと気にしていたんだ。それで二人同時にスマホに着信が入った。当然、あかり先輩からのLINEでドキドキしながらラインを開いたんだ。それで画面には、合格発表の掲示板の受験番号を自撮りしている笑顔のあかり先輩と共に【合格したよ!】とあった。
僕とあゆみちゃんは無言でガッツポーズをし、ハイタッチをしてあかり先輩の大学合格を喜んだ。先輩に【おめでとうございます】【お祝い会をしたいです】と返信したら、【ありがとうね。お祝い会は期末テスト後にクリスマス会でやろうね】と書いてあった。
翌日からの放課後は先輩の豪邸で期末テスト用の追い込みを始めた。先輩は自分の期末テストもありながらも、僕らの講師になってくれていた。それで先輩が僕らに問題を出して答えていく感じだったんだけど、あゆみちゃんが不正解した問題を僕が正解する事もあるんだよね。
そんな時に限ってあかり先輩が僕に正解の解き方を説明させるんだよね。僕は戸惑いながらも「ここがこうなって、こうなるから、この数字になるんだよね」と説明したら、あゆみちゃんが「ふ~ん、そうなんだ」「私だってそのくらいわかっていたよ!」と言って悔しがっていたのが可愛かったよ。
夏休み中から始まっていた勉強会の成果が出始めていて、あゆみちゃんとの差が確実に縮まっているのを実感していたよ。でも、そんな僕にマウントを取ろうとしているあゆみちゃんが可愛くてしょうがなかった。
それで無事に期末テストが終わった。まだ結果は出ていなかったけど、手ごたえは確実にあったね。あかり先輩の大学合格を兼ねたクリスマス会を行う事になった。プレゼントは10月のハロウィンのコスプレ大会で商品で貰った商店街の3割引きのクーポンを使う事にして、予算は一人当たり1500円して二人分で計3000円とした。料理は食材を買って来て3人で作る事にしたよ。
それで3人で商店街に出かけたよ。商店街はクリスマスソングが流れ、カラフルな電飾が点滅してクリスマスを煽っていたよ。3人共にバラバラになってそれぞれにプレゼントを買ってから集合して食材を買いに行く事にしたよ。
僕は2人には防寒用の黒タイツにしたんだ。寒くても生足で頑張っている2人に、タイツの温かさを知ってもらいたかったんだよね。そして集合時間になり3人で集まった。あかり先輩もあゆみちゃんも何を買ったのかは、わからない様にしていたからプレゼント交換が楽しみになったよ。
食材を買い込み先輩の豪邸へ急いだ。僕のリクエストで唐揚げが多めだ。3人でワイワイしながら料理も楽しんだよ。でもちょっと失敗もあったけど、それもまた良い思い出になった。出来上がった料理をテーブルに並べて、ノーアルコールのシャンパンをグラスに注いで乾杯をして、先輩の大学合格を兼ねたクリスマス会が始まったよ。3人で作った料理は美味しかったよ。
特に僕のリクエストの特大唐揚げが美味しかった。ちょっと失敗の丸くならなかったタコ焼きも笑いながら食べたよ。最後にケーキを食べてから、お楽しみのプレゼント交換会が始まった。ジャンケンをしてあゆみちゃんからプレゼントを披露してくれた。
あゆみちゃんのプレゼントは自分の家の薬局での新商品で今シーズンで一番売れていると言っていた保湿効果の高いハンドクリームとリップクリームのセットだった。あかり先輩は「これ気になっていたやつだ」と言って喜んでいた。
それで2番目はあかり先輩でプレゼントは色違いのニット帽と手袋のセットだった。試しに僕とあゆみちゃんにニット帽を被ったんだけど、先輩は「似合っているよ」と言って喜んでいたし、あゆみちゃんも「ペアルックだね」と言い喜んでいた。僕も嬉しかったけど、ペアルックで歩くのはちょっと恥ずかしいなと思ったのが本音だったね。
それで最後の僕の順番になった。2人が喜んでくれるか心配だったけど、2人に僕が選んだ暖かい黒いタイツをプレゼントしたよ。あかり先輩もあゆみちゃんも喜んでくれたけど、僕が「これを穿いて学校に行ってね」と言ったら嫌な顔をしていたんだよね。まぁ生足命の2人には無理だろうなと思っていたから良いけどね。
それで最後に3人で自撮りをしてクリスマス会を閉めたよ。来年も同じように3人でクリスマス会を楽しめればと思いながら後片付けをして帰宅したよ。
そして週明けの月曜日の朝になった。寒い朝でテレビのニュースでは今シーズンで最初の寒波が襲ってきたと言っていた。僕は当然の様に制服のズボンの下にはタイツを穿いて制服のシャツの下にも長袖の温かい防寒用のアンダーを着こんで学校に行った。
いつもの様にあゆみちゃんの方が先に学校に居たんだけど、スカートの下には僕がプレゼントしたと思うタイツを黒のタイツを穿いていたんだよね。僕は嬉しかったけど、“生足命”のあゆみちゃんがタイツを穿いていたから面白くなって、あゆみちゃんに「今日は暖かいよね」と言ったんだよね。
そしたら、あゆみちゃんは恥ずかしそうに「寒いのが悪いの!」と言い怒っていたよ。その後、僕が隣の席に居るのにあゆみちゃんからLINEが届いたよ。【タイツって暖かいね】【プレゼントありがとう♡】てね。お礼を口に出さないあゆみちゃんが可愛かったよ。
授業が始まり各教科の期末テストが返されてきた。全教科では無いけど1学期のテスト結果とは大違いで倍以上の点数で各先生から驚かれて「ゆうなは別人になったな」と言う先生もいて僕は嬉しかった。
放課後にあかり先輩に連絡を取ってあゆみちゃんとテスト結果を見せに行ったんだけど、何と!あかり先輩も僕がプレゼントしたタイツを穿いていたんだよね。僕はテスト結果よりも嬉しくなってしまい
「先輩!今日は暖かいでしょ!」と言ったんだよね。
そしたら、あかり先輩も恥ずかしかったみたいで「もうJKも卒業だからね」とちょっと寂しくなるような言葉を言っていたけど、僕はプレゼントしたタイツを穿いてくれていたのが嬉しかったよ。そして肝心のテスト結果を見てあかり先輩も喜んでくれた。何よりも自分の様に喜んでくれているあかり先輩の姿が僕らには一番嬉しかったね。
それで先輩を真ん中にして3人で帰る事にしたんだけど、校門を出ると僕が鞄からあかり先輩のプレゼントしてくれたニット帽と手袋を出したら、同じようにあゆみちゃんもニット帽と手袋を取り出したんだよね。示し合わせたかのようだったけど、本当に偶然だった。
あかり先輩は「もう2人共嬉しいな」と言って喜んで、両手を広げて僕らの肩を抱いて歩いていたよ。今シーズンで一番寒い日だったかも知れないけど、僕らには関係の無い日だったね。
そんな12月の冬休み前の出来事でした。
読んでいただいてありがとうございます
あかり先輩も大学に合格し、ゆうな君の成績も上がり、暖かい気分で冬休みに入る3人でした




