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不安なスタート

僕らに近づいてきた高橋さんは、予想通りに僕らの席の前で止まり、喋りだした。


生徒会の女装&男装コンテストの責任者に代表者が決まりましたと連絡したら、

折り返しでポスター用の写真撮影日を伝えてきたので、その日を教えるねと高橋さんは言った。


その撮影日は明日の放課後で、

撮影用の制服は準備済みでウイッグやメイクも担当者がいるから、手ぶらでも大丈夫だと。

それで、自己ピーアール用のショート動画の撮影も有るから、

その準備でコメントのテンプレートを高橋さんから見せてもらった。


そのテンプレートには名前の所が空欄で、何パターンかが書いてあった。

そのテンプレートを見て、僕は一気に緊張してしまった。

それで、隣のあゆみちゃんを見たら、僕とは違ってて楽しそうにそのテンプレートを読んでいたよ。

僕は今までは目立たない人生を歩んでいたので、

人前で話す事もあがってしまい苦手な事だったのを思い出したよ。

単純に女装すれば良いだけだと思っていたので、今になってちょっと後悔した。


血の気が引いて青くなった僕の顔を見たあゆみちゃんが、

「ゆうな君大丈夫?」って心配そうに聞いてきた。

僕は正直に「ちょっと怖くなってきたと」と言ったら。

あゆみちゃんは「私も1人だったら怖いよ」

「でもゆうな君と一緒だし2人で頑張ろうよ」と励ましてくれた。


その会話を聞いていた高橋さんは、

「やっぱり2人ってそうゆう関係だったんだね」

「私はお邪魔みたいだから席を外した方が良いみたいだね」と言った。

僕が否定する前にあゆみちゃんが恥ずかしそうに、「ただの友達だよ」と言っていたのが面白くて、

僕は止まっていた血が一気に流れた様な感じがして吹き出してしまった。

高橋さんは冗談だよと言って改めて明日の撮影時間を言って戻って行った。


あゆみちゃんは顔を赤くして僕を睨むけど、目が笑ってる。

「ゆうな君のせいだよ……!」

「ごめんごめん。でも、友達でよかったよ」

僕も笑いながら返す。

本当は、もっと特別な関係だって思いたいけど……今は、この「友達」の絆が心強い。


帰宅後にあかり先輩からLINEが届いた。

内容は

【明日はコンテストの撮影だね。私は生徒会副会長だから直接あなた達を応援する事が出来ないけど、離れていても私はあなた達の味方でいつでも応援しているからね。離れていても安心してね。そして、あゆみちゃんを守って信じて、人生でたった1回しか出る事が出来ないコントストを精一杯楽しんでね。頑張れ私の妹達】


みたいな感じだった。


僕はちょっとショックだった。

あかり先輩についていけば大丈夫だと思っていたからだ。

でもあかり先輩に頼れなくなってしまった。

涙が出てきそうだった。

そんな時にあゆみちゃんからもLINEが届いた。

あゆみちゃんにも先輩から同じようなLINEが届いたらしく、

でもあゆみちゃんは僕とは大違いで【ゆうな君がんばろうね!ゆうな君と一緒ならば何でも出来そうな気がするからコンテストを楽しもうね!】と書いてあった。


スマホの画面に涙が落ちた。

そして決心した。

僕は男なんだから、あゆみちゃんをしっかりリードして良い結果を残すんだと決心した。


そして翌日の放課後に女子クラス委員の高橋さんと3人で指定された時間に指定された教室を目指して歩いていた。

高橋さんが前を歩いている後ろで僕らは自然と手を繋いで歩いていた。

あゆみちゃんの体から緊張している雰囲気が伝わってきたけど、

あゆみちゃんにも僕の緊張が伝わっていたはずだ。


その教室は元々は空き教室だったところを写真スタジオ風に改造してあった。

ドアを開けて挨拶をして教室内に入ったら驚いた。

教室内は照明器具やバックの背景の色の幕も何種類か用意されていて、

高そうなカメラが用意されていて僕らの緊張感を煽っていた。

その色々と準備している先輩方の中にあかり先輩が立っていて僕らに挨拶をしてきた。

コンテストの開催を宣言する動画で見たあかり先輩よりも更に気合が入っている雰囲気でエプロンもしていた。

その挨拶を聞いて更に僕らは驚いてしまった。


先輩は

「ようこそ写真部の特設スタジオへ」

「私が生徒会副会の3年生のあかりです。そして私が、第15回女装&男装コンテスト15周年記念大会の総合プロデューサーです」と言った。

驚いた。え、先輩が総合プロデューサー.....!?ってね。

そして続けて

「今大会は15周年の記念大会なので私が全面的にプロデュースします」

「なので今日のポスター撮影でも私がメイクアップして制服のフィッティングも私が行います」

「これは各クラスで不公平不均等を避ける為です」と言って、

「1年A組のゆうな君とあゆみさんですね」と普段ならば絶対に言わない雰囲気だったけど、

僕らは昨夜のLINEのメッセージで知っていたから、堅苦しい挨拶を聞いても平静を保つ様に努力し気合を入れていた。


そして、あゆみちゃんを見たけど、僕と同じように気合の入った良い顔をしていてホッとしたよ。

更に先輩は僕らに撮影の手順を伝えた。

メイク前の顔での撮影からメイク後に制服をフィッティングして再び撮影する。

その様子はショート動画でメイキング風景で使うから常にカメラは回っているとね。

最後に何か質問はありますか?と聞かれたので僕は聞いてみた

「他のクラスの子が居ないようだけど」と聞いたんだ。


そしたら、先輩は

「他のクラスの子の様子が知りたい気持ちは分りますが、それは教える事が出来ません」

「我々が制作したポスターの掲示までは完全にシークレットです。」

「ドキドキ不安だと思いますが、これもコンテストなのです」と言って僕らを驚かせた。

他のクラスの様子はポスターの掲示までは知る事が出来ないなんて。

ちょっと不安になったけど、先輩がLINEのメッセージで言っていたように僕らは自分達を信じるだけだと思った。


そして撮影が始まった。

着替える前にあゆみちゃんと並んでカメラの前に立ち

「1年A組のゆうなとあゆみです」

「女装と男装は初めてだけど楽しみです応援よろしくお願いします」と2人で笑顔で撮影した後に

それぞれ制服を着替える為にカーテンの中に入った。

中には高校合格後にも着た試着用の制服が各サイズ用意してあった。

なので僕のサイズに合った女子の制服を着る事が出来た。


その後に椅子に座らせられて、あかり先輩のメイクが始まった。

でもいつもの先輩では無くて、初めて女装メイクで緊張している男の子の緊張を和らげるように優しく語りかけながらメイクしてくれた。

「緊張してるでしょ?」

「大丈夫だよ私が可愛く仕上げてあげるからねと」といつも以上に優しかったのが嬉しかった。

そしてカメラが止まっている時に小さな声で

「ごめんね」

「冷たい対応しか出来なくてね」

「でも応援しているからね」

「頑張りなさい」と耳元で囁いてくれた時には、胸がジーンと熱くなって涙が出そうになったけど、

せっかくのメイクが落ちるのでそこは我慢した。


黒髪ロングのウイッグを被り髪もセットしてもらい他の先輩方の前に立ったら、声が上がったよ。

「うわー可愛い」とか言ってくれた時には嬉しかったよ。

そしてあゆみちゃんのメイクが始まった。

僕はその様子を見ていた。

真剣な先輩の目を見て僕達の姉の目で嬉しかった。

あゆみちゃんの男装メイクが格好良く終わり、撮影が本格的に始まった。


先輩の指示で色んなポーズを指定されたりしたけど、先輩の注文には慣れていたので恥ずかしがらずに撮影は進んであゆみちゃんと交代した。

あゆみちゃんは男装の麗人みたいで、あゆみちゃんの横顔にドキッとした。


本当に格好良かった。

きっと惚れてしまう女子が居るだろうなと思ったよ。

そして先輩のポーズ指定で【手を繋いでピースや指で♡を作ったり】【男装のあゆみちゃんが女装の僕の肩を抱いたり】2人ペアの撮影(プリクラの経験がここで活きたよ)をしてから、動画用のコメント撮影をした。

僕は可愛くあゆみちゃんは格好良く喋って撮影は終わった。

その様子を女子クラス委員の高橋さんも楽しく見ていたよ。

教室に戻る途中で「ゆうな君って本当は女の子なんでしょ?」って何度も聞かれたのが面白かったよ。


でも撮影後に色々と教えてもらった。

生徒会の方で撮影した素材でポスターを作り選挙期間中に校内各所の掲示板に貼られる。

その場所にはモニターも置かれてショート動画も見れる様にセットする。

並びにQRコードも作りそのQRコードを読み込めばスマホでも見れる様にすると。

そして学園祭本番の体育館での90秒間のパフォーマンスも教えられた。


基本的には何をしても良いと。

去年までは完全に女装の1人のステージでは無くて、申請すればもう1人までの助っ人的な人を使う事が出来た(勿論1人でのステージも良かったらしいが)

今年は女装&男装のコンテストだから、2人でのパフォーマンスになると言われた。

そこで昨年までのパフォーマンスを短くまとめた動画をタブレットで見せてもらった。

だけど本気で驚いてしまった。


可愛いアイドル風の衣装で歌い踊っていたり、女装と男子の2人で短いお笑いやお芝居をしている動画でかなりのクオリティで正直びっくりした。

これを僕らが考えてするんだと思った時にあゆみちゃんを見たら、あゆみちゃんも僕の方を見ていて僕は思わず「頑張ろうね」と言ってしまった。

先輩方も「気合が入ってるね」とか言ってくれたけど内心は、どうしようかと悩んでいたのが本音だった。

僕らにこんなクオリティ出せるかな……


でもそこであかり先輩が

「まだ時間はあるから楽しんでパフォーマンス出来る物を探せば良いよと」

笑顔で優しく言ってくれたのが心強かった。

メイクを落としてもらい制服を着替えて教室に戻りながら3人でパフォーマンスについて話ながら歩いたけど、

そんな短い時間で結論が出る事は無く今日のところは帰宅した。



読んでいただいてありがとうございます

今回から新しい章に入りました

本格的に学園祭の準備に入りました

ちょっと不安なスタートでしたが次回から新キャラが登場します

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