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あかり先輩に秘密を見られた瞬間

そしたら、横から誰かが近づいてきて、

優しい女性の声が響いた。

「どうしたの? 長くて疲れちゃったのかな?」


顔を上げると、そこにいたのは生徒会副会長のあかり先輩。

学校のアイドル的な存在で、身長170cm超えのスラリとした体型に、

黒髪ロングの美しい髪。

笑顔がまぶしくて、誰もが憧れる先輩だ。


僕は慌てて「えーと、あのー……」と口ごもり、

下を向いたまま。


「気分が悪いのね。保健室に行こうか」って、

先輩は僕の腕を優しく掴んで引っ張る。

仕方なく立ち上がったら、やっぱり椅子に赤い染みが。


僕の視界がぼやけて、涙がぽろぽろ溢れ出した。

先輩は一瞬驚いた顔をしたけど、

すぐにティッシュを取り出して素早く拭き取って、

他の生徒たちに気づかれないようにカバーしてくれた。

「大丈夫、誰も見てないよ。行こ?」って、

腕を組むようにして保健室まで連れてってくれた。


保健室に着くと、保健室の関根先生が優しい笑顔で迎えてくれた。

「どうしたの、ゆうなくん?」って聞かれたけど、

僕は恥ずかしくて言葉が出ない。

俯いたまま黙ってる僕を見て、あかり先輩が代わりに説明してくれた。

「椅子に血がついてて……多分、出血してるみたいです」って。

まるで母親みたいに、僕の代弁をしてくれる。


関根先生はすぐに理解したみたいで、

「あかりちゃん、外で待ってて。パーティションの外ね」って、

先輩を追い出してから、僕に言った。

「ゆうなくん、ズボンを脱いでみて。先生がちゃんと見てあげるから」。


僕は顔を真っ赤にしながら、渋々ズボンを下ろした。

パンツまで真っ赤で、血がべっとり。

恥ずかしくて死にそうだったよ。


関根先生は優しく、「大丈夫よ、よくあることだから」って、

パンツも脱がせて、ウェットティッシュで丁寧に拭いてくれた。

冷たい感触が痛みを和らげてくれて、少しホッとしたけど、

それでも心臓がバクバク。


「これは痔の出血ね。薬を塗った方がいいわ。

でも痔の薬はここにはないんだよね、薬局で買って帰ってね。メモ書くから」って、

薬の名前と塗り方を書いてくれた。

「でも今以上になったら、絶対病院に行きなさい。紹介状書くからね」。

ちょっと嬉しい。誰かに相談できて、初めての安心感。



読んでくれてありがとうございます


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