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僕はあかり先輩の妹になった ~高校男子ゆうなの女装物語~  作者: 藤乃ふじか
あかり先輩と女装デート
15/19

初めての買い物


デートの翌日。

昨日の興奮が、まだ胸に残っている。

ベッドの中で目を覚ますと、体が少し重いけど、心は軽やか。

鏡の前で、自分の顔を見てみる。


ゆうなの顔だけど、昨日のあかねの記憶が、鮮やかに蘇る。

先輩の唇の感触、公園でのハグ、涙の温かさ……。

「本当に、楽しかったな」


でも、現実は待ってくれない。お尻の状態は、まだ完璧じゃない。

ナプキンのストックが少なくなってきた。

昨日、デートで駅までの道を歩いている時、目についた薬局を思い出す。


商店街の中にありながら、入りやすそうな雰囲気。

こっそりナプキンを買うのに、気を遣わずに入れそう。

ゆうなの男モードでも、頑張れば買えそうな店。

「一人で買ってみよう……昨日、下着屋さんで選ぶ楽しさを知ったし」


恥ずかしさよりも、なんだかワクワクする。

服を着替えて、家を出る。

日曜の午前中、街は穏やか。

あの薬局の前に着くと、生理用品大幅値下げ中のポップが目に入る。


高校生の僕には、少しでも安い方がありがたい。

迷わず入店。

店内は明るくて、薬の匂いが優しく漂う。

ナプキンコーナーへ直行。


外から見えず、レジからも死角。

他にお客さんがいなくて、ホッとする。

じっくり選べる。

安売りになってる袋を手に取る。


昨日、先輩が教えてくれた種類――フィット感のいい羽つきスリム。

ショーツも1枚、シンプルなのを。

レジへ向かう時、心臓がドクドク鳴る。

レジの人は、40代くらいの女性。僕の母ぐらい。


「これ、お願いします」

声が少し上ずるけど、普通に会計。

不思議がられることもなく、袋を渡される。

店を出た瞬間、達成感が込み上げる。


「無事に、一人で買えた……恥ずかしかったけど、なんか、嬉しい」

先輩にLINEで報告。

「一人でナプキン買いました! 昨日みたいに、楽しかったです」

返信がすぐ。「よくできました♡ あかね、成長したわね」


嬉しくて、胸が熱くなる。

でも、冷静になると、「何やってんだ、僕……」って、苦笑い。

男の子なのに、ナプキン買って喜んでる。

でも、それがあかねの日常なんだ。



読んでいただいてありがとうございます

商店街の薬局で初めて生理用品を買ったゆうな君

次回のそのゆうな君に予想外のとんでもない事が起こる

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