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第十話 文化祭準備と親友の秘密

 毎年、学生が、待ちに待っていた、文化祭が、やってきた。健太達にとっては、高校生活、初の一大イベントだ。健太達のクラスでは、クレープ屋をする事になっていた。文化祭当日まで、あと二日と迫ってきて、学校中の生徒が、活気に溢れている。そんな中、健太と千夏は、一緒にクレープに必要な材料を買いに学校から近くの食料品店まで来ていた。健太と千夏が付き合い始めてちょうど一週間だった。まだ少しぎこちないが、唯一変わったのが健太が、千夏の事を 「千夏ちゃん」ではなく 「ちぃちゃん」と呼び、 千夏が、健太の事を

「健くん」と呼び合うようになっていた。

「文化祭って、準備が、大変だよね。ちぃちゃん等陸上部の方は、何か、出すの?」

「今回、陸上部は、何もしないらしいよ。部長が、文化祭実行委員で忙しいから、今回は、パスみたい。だから、クラスの店番ぐらいかな? 後は、健くんと一緒に文化祭を見て回れるよ」と、クレープの材料をカゴの中に入れながら言った。

 クレープの材料を買い込んで、学校へ戻ると、校門の前には、大きな半円状のアーチが、すでに出来ていた。二人は、アーチをくぐり、教室に戻った。戻ると、真樹が

「お二人さん、遅いよ! 付き合い始めてたからって、ラブラブするのはほどほどにね」と、冷やかしを言う。

「もう、真樹ったら! あからさまに、ラブラブなんかしてないよ。ね、健くん」

「はいはい、ごちそうさま。そんな事より、飾り付け手伝ってよ」と、手招きをされ、教室の飾り付けを手伝った。

全ての作業が終わったのは、もう、空は暗く星が 輝きをはなっている頃だった。健太は、携帯を取り出し、メールで亜子に「今、終わったから、帰るのもう少しかかる」と連絡すると、すぐに

「了解~! 気をつけて帰って来てね」と、亜子からの返信があった。

 学校を後にして、駅まで、歩きながら

「文化祭、楽しみだね。一日だけだけど」

「そうだよね。早く、当日にならないかな。そう言えば、健くんの妹さんは来るの?」

「どうだろうね? 言ったら来ると思うよ」

「そっか! じゃ、楽しんでもらわないとね」

と、言いながら、二人は駅に辿り着き

「じゃ、ちぃちゃん、また、明日ね」

「うん。健くん、バイバイ」と、お互いに手を振りながら別れ、お互いの家路に着いた。

 家に帰った健太は、亜子に

「亜子、うちの学校の文化祭見に来る? 亜子の好きなクレープをうちのクラスで出すんだけど」「えっ! 高校の文化祭って、食べ物屋も出すんだ。じゃ、行くよ。って事で、クレープおごってね。お兄ちゃん!」

「亜子って、ちゃっかりしてるよな。そう言えば亜子って、犬好きだったよな?」

「うん! 大好きだよ」 「もし、良かったらだけど……これあげるよ」と、雪絵と一緒に買った犬のストラップを亜子に渡した。

「これって……もしかして、雪絵とお揃いの」

「うん……一緒に買ってたんだけど、俺に持つ資格はないし……捨てるのも悪いからさ、亜子にと思って……ダメかな?」 「ダメじゃないけど、分かったよ、私が、貰っておくね」

「うん、ありがとう」


 次の日も、健太は、文化祭の準備の為、学校へ向かった。文化祭前日とあって、今日一日授業がないので気が楽な一日だ。千夏と駅で待ち合わせをしていた健太は、電車を降りてすぐに待ち合わせ場所の噴水広場に向かい、すでに、千夏が待っていた。

「おはよう、健くん」

「ちぃちゃん、おはよ」 二人は、合流して学校に向かった。

学校に着いたら、すでに、文化祭の準備の音が、聞こえていた。トンカチを叩く音や、看板の立て掛ける誘導の声などで、朝から賑やかだった。

健太たちは、教室に入り、クラス全員が揃ってから、明日のクレープ屋の店番の順番を決めた。公平にくじ引きとなり、運よく健太と千夏は、同じ時間帯で店番する事に決まった。

「健くんと一緒の店番だね。健くん店番終わったら文化祭見て回ろね」

「うん、そのつもりだよ。ちぃちゃん」と、笑いあっている中、真樹が

「もぅ、見せつけなくていいから、早く看板メニューを作ってよ」と、二人の間に割って入ってきた。真樹に、段ボールとマジックを渡され、段ボールにメニューを書き込み段ボールの周りに飾り付けをして、作業を終えた。真樹は、二人の作業している姿を見て、ちょっと羨ましく思った。真樹も実は、健太が好きだった。だけど、親友の千夏の、健太を思う気持ちを知り、一歩下がって、千夏の応援にまわっていたのだ。千夏が、健太と付き合い始めて真樹は、嬉しさ半分、後悔も半分な気持ちだった。真樹は、健太が、千夏に話をしている姿をボーッとしながら見つめていると千夏が

「真樹? どうしたの? ボーッとして?」

「えっ、べ、別に、何でもないよ……」と、我に返り、顔を背けた。

「真樹? どうしたの? さっきから変だよ?」 「いや、本当に何でもないから……千夏は、如月くんとイチャイチャしときなよ」と、千夏を押した。千夏は、押されたひょうしによろけて、倒れそうになる。健太は、千夏が倒れそうになるのを見て、咄嗟に

「ちぃちゃん、危ない」 と、倒れそうになった千夏を支えた。千夏は、健太のおかげで、倒れずにはすんだが、健太は、気絶して、倒れてしまった。千夏は、気絶した健太を抱き抱え

「健くん、健くん、しっかりして」と、健太の身体を揺するが、反応がなかった。

「真樹、どうして押したりしたのよ」と、千夏が険しい表情で言った。

「ごめん……付き合ってるんだから、仲がいいのは、分かってるんだけど……何か、嫉妬しちゃって……つい……本当ごめん」と、真樹は、千夏に謝った。

「もう、いいから、真樹、健くんを保健室に運ぶの手伝ってよ」

二人は、健太を保健室へと運んだ。


 その頃、健太の教室では、麗子が健太を探しに教室まで来ていた。

健太の教室のドアを開け開口一番

「健太様~! 会いに参りましたわ~!」麗子は、教室を見回し、健太がいない事に気づく。

「まぁ、健太様ったら。私と会うのが、恥ずかしいから隠れたのですね。健太様~、出て来てくださいな。あなたの麗子は、此処に居ましてよ。健太様……」

幾ら呼んでも、返事はない。麗子は、文化祭の準備をしている男子に

「ちょっと、そこの貴方! 健太様が、何処に行ったか知らないかしら」麗子に聞かれたクラスメイトは

「如月ですか? あいつだったら、ついさっき何処かに行きましたけど」 「何ですって! もう、健太様ったら、私に会うのが恥ずかしいからって何処に行かれるなんて、いいですわ! この麗子、健太様の為ならば、例え、火の中だろうが、水の中だろうが、健太様を見つけて差し上げますわぁ~。オ~ホッホッホ」と、高笑いをしながら、教室を出て行った。

麗子が、出ていった後の教室は、嵐が過ぎさった後のように、静まり返っていた。


 保健室では、健太をベッドに寝かせ、健太が、目を覚ますまで待っていた。

「真樹、本当にどうしたの?」

「えっ、じ、実はね、私、千夏に秘密にしてた事があったんだ」と、物憂げ表情で言った。

「何? 秘密って?」

「もう、終わった事なんだけど……私も、如月くんの事、前から好きだったの。でも、千夏が、如月くんの事を好きって知った時に、私より千夏の方が、如月くんとお似合いなんじゃないかって思って、私は、千夏の応援にまわったんだ。でも、やっぱり千夏と如月くんが、仲良く話をしてるのを見てると悔しくて……さっき、わざと押しちゃったの。ごめんね」

「真樹……」

「千夏が、もっと如月くんとベタベタしてくれてたら、私もすんなり諦めれるのに、全然、手とか繋がないから……」

「私も、手は繋ぎたいよ。でも、それが出来ないの」と、千夏は、健太の顔を見ながら言った。

「どうして、出来ないなの? 付き合ってるんならいいじゃない?」

「繋げない理由があるのよ。健くんの体質の関係で……」

「如月くんの体質? 何それ?」

「私も、告白した時に知ったんだけど。健くんは、同じ年頃の女の子に触られると気絶しちゃうんだって。だから、今も気絶してるの。健くんが、私を庇ったせいでね」

「何よ、それ?」

「でも、私は、今は手は繋げないけど……私は、それでもいいの。健くんの彼女になれたおかげで、いつも、傍にいれるし、健くんの笑顔も見れるから。私は、それだけで幸せなの」

「千夏……やっぱり、千夏には、敵わないよ。如月くんの事、そこまで想ってたなんて」

「私、真樹に感謝してるんだよ。真樹のおかげで健くんの彼女になれたんだから。真樹、ありがとね」と、千夏は、真樹の手を取り笑顔を見せた。

 しばらくして、健太は目を覚ました。

「健くん、ごめんね、私のせいで」

「いや、ちぃちゃんのせいじゃないから、大丈夫だよ。それよりも、ちぃちゃんは、怪我とかしてない?」

「うん、大丈夫」

「あの、如月くん、ごめんね。ちょっと悪ふざけしすぎちゃって……」

「いいよ、平沢さん。気にしないで。もう、大丈夫だし。じゃ、教室に戻って、準備の続きをしなくちゃね」

と、三人は、教室に戻り、残りの準備を終わらせた。


 そして、文化祭当日の日が、やって来た。

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