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第十話:世界を質量でブチ壊す

 ようやく会えたな、天使。


 そう、そこには天使がいた。


 惑星を包むほどの質量を得た俺は、やがて俺という惑星の近くに漂う、真っ白な巨星を見つけたのだ。それは、暗黒大陸にいた頃太陽として拝んだ星だった。

 しかし、何もない闇の中に浮かぶ、白い巨星と俺という惑星。宇宙とも違うこの場所では、その星はあまりにも異質だった。


 ギョロリ、と大きなひとつのまなこが開いて、こちらを見た。続いて白い星の表面に亀裂が入る。

 刹那。ブワリ、と。魚の鱗が立つかのように羽根をうねらせて、翼を開いた天使。パラパラと舞う羽根、そのひとつひとつが俺と天使しかいない闇の空間の中で徐々に形を変えると、小さな美しい天使の女性の姿を取った。


「さて。見込み違いだったお前に、見込みありとして決闘を申し込もう。対価はこの世界、『ユーフォガルド』の崩壊だ」


 おもしれぇ。やろうぜ。


 そう思考した瞬間、小さな天使たちの手の先から光線が放たれる。


 馬鹿が。その攻撃はもう対策している。


 もはやチリ一つも無くなった惑星由来の己の肉体。その中心にある核の周りを、光が避けるかのように進んでいく。


「なるほど、レンズで光を歪めたか。ありがちだな」


 そんなこと言うなよ。俺が陳腐なことしてるみたいじゃねぇか。


「実際、陳腐だって言ってんだよ。つまんねぇぜ?」


 それは、俺の攻撃を避けてから言うことだな。


「ハッ笑わせないでよ。この程度じゃまだ面白くもなんともない」


 俺は光に核を避けさせると同時に、大量のレンズ化スライム片を用いて全ての光線の方向を肉体の中で反転させ、収束させ、極太のレーザーとしてスライムの腹の部分から放出していた。


 攻撃は天使の腹に直撃したが、あまり効いていないな。白い羽毛が禿げて真っ白な皮膚が露になっているぐらいだ。咄嗟に小さな天使たちを腹の前に集めて文字通りの盾にしていたからな。


「どうやら、眩しくさせるぐらいじゃ何の意味もないらしいのな」


 分かってくれて嬉しいよ。やっぱり、俺たちは殴り合わないとな。

 最早自分でも何を言っているのか分からないが、とりあえず質量を活かした攻撃のチャンスだ。


「ハッ。何を言ってんだか」


 そう言い捨て、天使はなんの捻りもない体当たりをしてくる。その質量は、天体となった俺と同等かそれ以上。まずい、質量勝負でも軍配はこちらに上がっていない。


 しかし、勝機ッ。


 天使もこの世界も、俺が質量で以てブチ壊してやる!


 カウンターをくれてやるよ。


 俺の肉体は隙だらけの天使の口の中に侵入すると、天使の口を大きくこじ開けた。

 そこに、おれは自身の核をねじり込む。


「グッウッアッおまえ、なに、をっ」


 もう遅い。俺はすでに、お前の体内の奥深くにまで到達している。


 そこで俺は天使の体内にあった水分に分泌液を加えながら、天使の体の中でスライムの肉体を作り始めた。

 やがて天使は動かなくなり、しわしわになった天使の肉体を、簡単に体の中から食い破る。

 これが俺の戦術…中からの質量攻撃作戦だ。


 これには流石の天使も参ったようで、いつ死んだのか分からないが、まあ間違いなく今はもう死んでいるのが確認できる。


 その瞬間、世界は崩壊を始める。完成したジグゾーパズルが崩れるかの如く、ガラガラと崩れ去っていく。


 気付けば、俺は天井を見ていた。見慣れた部屋。見慣れた電灯が見える。間違いない。俺が親の脛を齧りながら暮らしていた、思い出の実家だ。

 カーテンの外からは朝日が差している。朝には決まって訪れていた頭痛は、もうしない。


 ベッドから起きて、地面に足をついた。


「さて、ちゃんと就活でもしますかぁ」


<終わり>


 ということで少しギャグテイストのファンタジーをお送りしました。楽しんでいただけましたら嬉しいです。

 評価いただけましたら似たようなものを作るかも?

 またの機会にお会いしましょう。にくまんナイトキングでした。

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