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31:狂い出す歯車と巻き起こる紛争

 今まではとても平和だったこの国。

 しかしそれが見る影もなく、あちらこちらの町や村で過激な紛争が起こっている。


 私はその様を、じっと見つめていた。


 私が複数の村を滅ぼしたおかげで農作物が激減した。

 そのため食料品争いになっているのだ。それがどんどん加熱し、ついには紛争にまで発展する。


 それを見ているのはなかなかに面白い。

 私などが関与しなくても、人が殺し合い、物を奪い合うのだから。いつも勝つのは力の強い奴ばかりで、弱い女こどもは泣きながら殺されていく。その様がなんとも愉快だった。


「はは、ははっ。もっとやれ、もっと殺し合え」


 今は、一つの米袋のために、二人の少年が命をかけて戦っているところだ。

 互いに手にするのは鋭利なナイフ。それを刺し合い、相手を殺そうと躍起になる。

 そして数分後には二人とも折り重なるように死んでいた。結局、割り込んで来た大人の男に殺されてしまったのである。


「これもまた、一つの結果……か」


 人間はとにかく愚かである。それを改めて認識した。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 もちろんのこと、私は見ているだけではなかった。

 さらに、水や農作物が豊かな田園地帯などを焼き払った。


 しかしこの騒動が公に知られては困る。特に、王都などに情報が行かないようには注意しないといけない。

 なので、王都へ助けを求めに行った者たちは皆殺しにする。ただただひたすらに、王族などがのほほんと暮らせるように。


 だって、滅びの日までは彼らにゆっくりしてもらいたいからだ。


「マレ様は相当なワルですねぇ」


「あなたにだけは言われてくないというものだ。本当の悪はあなただろうに」


「確かに。こりゃ傑作だ!」


 どこが傑作なのか。私は笑えなかった。

 でも悪魔が手伝ってくれるのはありがたい。例えば、都合が悪くなったらほんの少しではあるが時を戻すことができるし。


 でも残念なことに悪魔の時魔法の力はそこまで強くなかった。

 私のように数年をタイムリープする力はない。できてせいぜい、五分かそこらだ。

 やはり相性というものがあるのだろう。しかしそれでも一助にはなるので構わない。


 私には、たくさんの魔法があるのだし。


 でもいつまでもこういう小さな紛争ばかりを起こしていてもつまらない。

 そろそろ、もっと大ごとにするべく、何か行動を起こした方がいいだろう。私はそう思った。

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