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プロローグ

視点『〇〇〇』

 真っ暗な空間。

 とある洞窟の中。

 2本のロウソクにそれぞれ灯された火。2つの、火。ロウソクがお互いに絡み合って、まるで1つのように輝いている。しかし、その火はもうすぐにでも消えてしまいそうで、それでも淡い光がキラキラと、そう、キラキラと2つ並んで輝いている。うっすらと見える洞窟の中にはところどころ赤いような黒いような、それとももっと違う色のような液体が飛び散っている。まるで血と血で争う激しい戦闘でもあったかのように。洞窟にはパラパラと石が落ちる音がしており、今にも崩れそうだ。

 そんな中、声が、聞こえるような感じ(・・)がする。


『なんでだったっけ。ワタシたちってなんで戦ってたの?なんで戦わないといけなかったの?』

 ロウソクが、1本、消えそうに儚く、ゆれる。

『…決められたものだから、じゃないかな?』

 ポタ、ポタと水が落ちる音がする。ロウソクはもうは徐々に光を失いかけている。

『そんな…〇〇〇〇〇〇っ……』

『やめよう。考えるのは。そういうものだから。そういうものってきめちゃうしかないじゃん。』

 キッパリと言い放つ言葉が洞窟に響く。どこか震えているような、消えていくような、そんな声が。

『ーーーーーーーーっ…!!!』

 痛みを耐えているかのような、怒りを含んでいるかのような、悲しんでいるかのような、小さな、小さな声が、聞こえないほど小さな声での、叫び。

『………〇〇〇』

 声が消えた。

 ロウソクの火が1本、消えた。

 もう1本は、どこか、光が弱まったかのように、淡かった光が更に淡く、光は小さく、暗くなっていく。

『しかたないことだから……』

 そうポツリと呟く。次の瞬間、残った1本のロウソクの光が消え洞窟の中は真っ暗になった。

 パラパラ、パラパラ…

 洞窟が崩れていくような音だけが聞こえる。

 パラパラ、パラパラ……

 音が、止んだ。






 ーーー現代ーーー

お読みいただきありがとうございます!!

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