「ゼラ・ニィー」「フローレンス・ケイト」(10)
更新いたしました。
「では、「ゼラ・アナ」を迎えに行ってきます」
アキラは拠点コンテナの前でシャトルーズに乗り込む。
「頼む、少し距離は有るが無事にここまで導いてくれ」
ニィーの言葉にうなずきながらアキラはチャアの本体に吸い込まれていく。超高速で一直線にこちらに向かっているだろう「ゼラ・アナ」と合流し皆と一緒にコンテナを回収すれば今回の「アンマ」への任務は帰路の護衛だけとなる。
「コンテナも無事だったし、色々有ったけど何とかなったって感じだったよな」
アキラがチャアに話しかけると。
「アキュラが少しは休む時間が取れたら良いのですが、またすぐに「ブリーテン諸島」に向かうのでしょう」
「仕方がないよ、すぐに向かわないと親父が本国に帰った後でしたじゃ何にもならないからな」
「他の皆さんは休暇に入るのに、アキュラの体調の方も心配ですよ」
「心配してくれてありがとう、多分向こうでは夜くらいは普通に休めると思うよ」
一時間ほど飛行を続けシャトルーズは「ゼラ・アナ」と約一月ぶりの合流を果たした。
「俺が護衛しますので、ゴーレムを収納して皆さんは手早くコンテナへ乗り込んで下さい」
拠点に到着するやアキラは皆に声をかける、この瞬間が「ゼラ・アナ」が一番無防備になる瞬間である為、迅速な行動が求められる。
「キス垂直降下用の補助脚を出してください、着陸態勢に入ります」
「ゼラ・アナ」に同化しているフェアリースライムの「ドーア」がキスに指示をだす。
「了解、コンテナとの位置決めに入ります・・、・・位置決め完了、微速降下、補助脚接地、・・微調整完了、補助脚たたみます」
ゆっくりと「ゼラ・アナ」の腹にコンテナが収まっていく。その間アキラはシャトルーズのオーラを全開にし小動物であろうとも「ゼラ・アナ」に近づかない様に務めた。
「「ゼラ・アナ」発進いたします」
キイーの声を合図に再び「ゼラ・アナ」は再びゆっくりと上昇していく。
シャトルーズはその後方に付き随伴体制に入った時、チャアが声を上げる。
「後方の世界樹の方を見て下さい」
背面飛行に入り世界樹の方を見上げるとそこにはグリフォンが一体旋回していた。
「シャトルーズ、お前は本当に魔獣達に尊敬されてるんだな・・」
アキラが感嘆の声を上げながらシャトルーズで手を振り感謝を示してみた。するとグリフォンは一声上げると再び世界樹の方へ戻って行った。
「一体だけだったけど、もう一体は抱卵してるのかな?」
「多分そうだと思います、この子も嬉しそうですよ」
これで暗黒大陸イグドラシルの地下迷宮「アンマ」への出張クエストと呼べるニィー達パーティーの初仕事が完了することとなった。
「ゼラ・ニィー」「フローレンス・ケイト」の章はここまでとなります。次回から新章に入ります、どうか次章もよろしくお願いします。
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