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「ゼラ・ニィー」「フローレンス・ケイト」(7)

更新いたしました。

  「なかなか見つからない物ですね・・」

先行するチューンが少し焦りも混ざった溜息を吐きながらアキラとケイトに同意を求める。

「何を言ってるのそうそうミスリルゴーレムが転がっている訳ないじゃない」

ケイトが背後から声をかける。

「そろそろしんがりから先頭に立たせてもらおうか?」

「そうね、じゃあ次は私がしんがりね」

アキラの言葉にケイトが答える。

中層の探索を始めて既に一週間、探索の甲斐もなく貴重な種のゴーレムの屍骸は見つからずじまいだった。



「少し狭いしスライムの巣の可能性も有るけど、あの穴に潜り込んでみようと思う」

アキラの言葉にケイトは。

「そうね、少し奥広い感じだし・・頼めるかしら」

アキラはシャトルーズの翅を少し展開させ光らせる。

「チャア、奥に入り次第オーラ全開にする、頼むぞ」

「了解、スライムなんか寄せ付けさせません」

自身もスライム種なのにあくまでも警戒すべき敵として中層階のスライムに相対してくれていることにアキラは感謝しつつ穴に突っ込んでいく。

・・中のやや思ったよりも広い空間は正にスライムの巣だった、眩い光を放つシャトルーズの侵入にスライム達は一斉に巣穴から逃げ出していく。


外では余りに大量のスライムの出現にチューンとケイトが対応に追われていた。

「チューン、巻き込まれない様にゴーレムを浮き上がらせて、天井で躱すわよ」

二騎のミスリルゴーレムは天井に素早く張り付いた。

「うへー、大丈夫なんですかね」

チューンの問いかけにケイトは。

「アキュラのシャトルーズだったらあのスライムの慌てようからして多分大丈夫よ、でも私達は決して真似できないわね」

「ですよね・・」

辺りが静まり返るとシャトルーズが顔を出しこちらに来るように促す。

「行くわよ」

「了解です・・」

恐る恐るチューンはケイトの後についていった。



「やったわね、アキュラ」

ケイトは喜びの声を上げる。

「ほとんどはアイアンゴーレムだったけど二体は多分ミスリルゴーレムだよ」

スライムの巣穴の中には沢山のゴーレムの屍骸が横たわっていた。

「俺が入り口を見張っているから邪魔者が来ないうちに二人で予備の腕輪に収納しておいてくれ」

そうアキラが声をかけながら入り口の方に立つと、ケイトがまず最初にゴーレムから降りて作業に入っていった。


チューンが作業に入っていると突然ケイトが叫んだ。

「ニィー、何をやってるのよ」

「どうしたんだケイトさん」

アキラが振り返り叫ぶ。

「アダマンタイトゴーレムが出たから捕獲したいですって」

「・・ニィーさん!何をやっているんだ、駄目だと言ったのに・・、すぐ戻りましょう」



急ぎ引き返そうとするアキラは祈る様な気持ちでシャトルーズの足に二騎をつかまらせて狭い中層階の迷宮で強硬飛行を行っていた・・。






次話もどうかよろしくお願いします。


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