滅びゆく国(9)
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警備の兵に剣を預けるとニィーは一呼吸おいて叫んだ。
「チャア殿、アキュラ殿お連れいたしました」
間髪入れず中から声がかかる。
「入れ」
ドアが開き会議中の面々がこちらを向いた。
「ニィー、お前も入れっておれ」
「はっ」
議長らしき人物がニィーに声を掛ける。
「チャア殿お久しぶりですな、いつぞやの合同訓練いらいですかな、こちらに」
「はい、お久しぶりです」
そう言うと用意されていた止まり木に飛んでいき腰を下ろした。
アキラはニィーにうながされ部屋の端に立っていたケイトの隣に並んだ。
「では、会議を続けましょう
議長が発言すると、中央奥に座る王と思われる人物が口を開いた。
「ケイトより聞いた戦闘の話を最初からなるべく詳しく話してもらいたい、数百の白銀の量産タイプと思われるミスリルゴーレムが編隊を組んで飛来したと聞いたが」
「はい、既に宣戦布告は受けておりその日の深夜に敵は飛来しました、しかし私達のミスリルゴーレムは十数騎しか稼働しておらず、百機ほどいた砲を装備していたアイアンゴーレムは一撃離脱する敵騎に翻弄され徐々に数を減らしていき、空での闘いも一騎が数騎の小隊を相手にし次々と撃ち落されていきました」
会議に参加している周りの者達もある者は腕を組み、ある者は静かに目を閉じながら話を聞き入っていた。
「メィミェイはそれでも二つの小隊を退けましたが・・、その時、単騎の黒いゴーレムが現れ剣を交えました、そのゴーレムの魔力は強大でしかもメィミェイと同様に魔法剣の使い手でした」
「敵の中に異邦人だけではなく我々エルフの民が協力していると言うのか」
静かに目を閉じていた男が目を開き怒りの表情で叫んだ。
「異邦人は魔力は優れていますが魔法は使えません、私達のゴーレムは両腕を失い最後に腹を貫かれそうになった時、助けに入った我が方のミスリルゴーレムのおかげで深手は追いましたがどうにか燃えさかる城内に不時着したのです」
「では姫はメィミェイ姫はその時」
王が残念そうに言葉を発した。
「はい、回復魔法も隠し部屋に備えられていた薬も効かないほどの重傷で・・」
「チャア殿、貴方はもう大丈夫なのですか?」
議長が尋ねる。
「はい、私の本体も負傷しましたが薬とアキュラのオーラで大分良くなってきました」
「そして、一晩で王都は・・、王は他の王族はどうなったか分かりますか?」
「はっきりとはわかりませんが、メィミェイが最後に朝までに隠し部屋に誰も現れなければ皆は囚われたか・・命がないものと考えて脱出しなさいと言われてました」
「そうですか・・」
静まり返る会議室・・そして王が声を出した。
「・・現在のわが国の戦力では奴らには対抗できぬ、遺憾だが王都を放棄し次の闘いに備えよう」
王の決断が下された。
次回、遂に「シャトルーズ」の登場です!どうかよろしくお願いします。
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