「ゼラ・ニィー」「フローレンス・ケイト」
新章、更新いたしました。
アキラ達は「ハサン」の港町「フェル」の造船所前に在る「ぜら・あな」商会の出張所を訪れていた。
「アキュラ、我々の歩みに会わせてもらってもうこんな時間だ・・すまなかった」
ニィーが詫びると。
「そんな、こんなことでいちいち詫びる事は有りませんよ」
アキラはニィーに自分に対してもっと統率者としての振る舞いを求めていた。
「そうよ、この商隊のリーダーは貴方なのだから、いつも通りにアキュラにも接してあげて」
ケイトもダメ出しをする。
「すまん・・」
「また!」
二人の会話を聞きながらも、アキラは造船所に待つパーナ女王より御拝借された新造船に興味が移っていた。
「あれだけの苦労をして発注した船ってどんな船なんだろう?」
アキラは造船所の建物を眺めながら期待を膨らませていた。
出張所内でミーティングが始まり商隊の役割とそれぞれの任務別の紹介が始まった。
「まず、新造艦の操舵手となる二人の魔導士、双子の「キイー」と「キス」そしてフェアリースライムの「ドーア」だ。「ベニン」の街が「わ」の国の監視下に入った今、彼女達が新造艦を操り我々と物資を直接「アンマ」に送り届ける今回の任務の重要な存在となる」
ニィーの紹介に三人は全く同時に答えた。
「よろしくお願いいたします」
そして次は、迷宮へと探索を行うパーティの紹介に入る。
「先頭での索敵と往路の船の護衛を担当してもらう、聖戦士アキュラ殿とチャア殿だ」
「アキラです、よろしくお願いいたします」
アキラとチャアがそれぞれ頭を下げた。
「次は、前衛を担当してもらうケイトとビーだ」
「よろしくお願いいたします」
「次は、後衛を担当してもらう「ポイン」と「ガター」」
「宜しくお願い致します」
「次は、後衛を担当してもらう「ホーゾン」と「ドウミー」」
「宜しくお願い致します」
「次は、後衛を担当してもらう「チューン」と「デイネ」だ」
「宜しくお願い致します」
「そして、最後はリーダーを務めさせてもらう私「ニィー」と「リム」だ」
横の止まり木にとまるフェアリースライムの「リム」が声を出す。
「よろしくお願いします」
「そして、出張所の皆さんも商隊を支援のほどよろしくお願いします。さらに明日の出発及び新造艦の命名式なんだが、これより造船所に向かうので実際に見て各人の意見を聞き名前を決めたいと思う」
警戒厳重な造船所の一角にそれは静かにたたずんでいた・・。
ジャッキで浮き上がっていた白銀のさほど大きくはない丸いフォルムの船体には大きな空洞が開いておりその真下には一番長い大きなコンテナを横二列に繋ぎ合わせたようなコンテナが置かれていた。さらに驚くことにその船体の横には飛行ユニットの流用とみられる小さな翼が生えていた。
「これ、もしかして飛べるのか?」
アキラが驚いた顔をすると、ケイトが自慢げに答える。
「パーナ女王がコンテナを飛んで運搬できる乗り物って無いかと一年程前に聞かれたときに小さい頃観たコンテナを腹に積んだ空飛ぶ輸送機の二十世紀の人形劇を思い出して絵に描いておいたんだ・・少し小さいけど大体あってるな」
「それ俺も見た記憶が・・、国際救助隊二号・・」
パーナ女王は飛空艇・・、つまりコンテナ運搬用巨大飛行ユニットを発注していた。
新章となります、どうか本章もよろしくお願いします。
もしよろしければ小説家になろうでの、評価、ブックマーク・フォロー、感想などを頂けますと幸いです。




