古の戒律により呪縛されし王都「ウロポロ」(11)
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アキラがテーブルに着くとパーナは視線をチャアに向け笑顔で話しかけた。
「今朝は、助言ありがとう。止まり木でゆっくりしていってね」
すでに止まり木にはフィルとアルが止まっていた。
「アキラ、貴方には私の想いが伝わっていないとチャアから聞いたわ、だから今から私は独り言を貴方の前で話すから食事が終わったら黙って最後まで聞いていてね」
いつも通りの美しい凛とした表情に戻ったパーナはアキラが食事をする様子をただ黙って見つめていた。
逆にアキラはその直視するその瞳を正視することが出来ずうつむいたまま急いで食事を済ませようとしていた。
そして食事も終わりお茶を飲もうとするといつの間にかパーナがアキラの横に立ち、お茶を注いでいた。
「アキラ、私は初めて貴方に会った時から・・、私の運命の人だと思っておりました・・、貴方が行方不明になってしまった時・・、その想いがどれほど強くなっていたのかを思い知りました・・、誰にも渡したくないの・・アキラ、愛しています」
そう耳元で話しかけると正面の席に座り直おした。
「実は私達王族は聖戦士の血も受け継いでいるとされています、異種族同士ですが子をなすことは可能と思っております・・。しかし貴方を王宮に縛り付ける様な事をして貴方の目的の邪魔になる様な事はしたくありません。ですからこのまま「ぜら・あな」商会に勤めて頂きたく思います。その上で私個人只一人だけの只一人の「守護者」になって頂きたい・・たとえそれが形式だけのものであっても・・」
真っ直ぐに見つめるパーナの瞳にアキラは顔を赤らめながらも答える。
「・・俺でいいのか?」
「はい」
パーナのゆるぎない返事にアキラは覚悟を決める。
「はい!、パーナ王女のいや・・パーナの守護者となりましょう」
その言葉にパーナは流れてくる大粒の涙を拭うこともなくアキラを見つめ続けていた。
「キラ、トロフ、もう入ってきて大丈夫だよ」
突然、アルが声を出す。
扉が開きキラとトロフが部屋に入って来る。
「パーナ」
二人そろってパーナに声をかける。微笑んで頷くパーナに二人は顔を見合わせ頷く。
「おめでとう、パーナ」
「やったな、パーナ」
口々に賛辞を贈る。
「言葉が通じてなく、ただ、夜を共にしただけになっていた・・。なんて聞いて焦ったぞ」
トロフがストレートに思いを口にする。
「アキュラ・・なんて事をと剣を握りそうになってしまってた・・」
キラも本音を口にする。
皆のその様子にアキラは只々顔を赤くするだけだった。
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