古の戒律により呪縛されし王都「ウロポロ」(10)
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「ふぅ、疲れたなぁ~」
深夜も廻りアキラはあてがわれた部屋で眠りにつこうとしていた。
晩餐会や舞踏会をチャアやパーナの手助けも有り、無難にこなせてはいたが・・。
「酒がな~、俺まだ学生だったんだぜ」
チャアが上手い断り方を指導してくれたがそれでも飲み過ぎていた。
「舞踏会でのパーナ綺麗だったな~」
様々な女性達がアキラをダンスに誘ってきた・・、困っていたアキラにまず最初にダンスを手ほどきしたのがパーナだった。
「パーナ綺麗だったな~」
そう再び 口ずさむとアキラの意識は眠りに包まれる。
どの位時間がっ経ったのだろうか・・、アキラは唇に触れる柔らかい感触に薄っすらと目が覚める、そこに頬を赤らめた美しい女性の顔があった。
「パーナ?」
アキラが呟くと、人差し指を立てる身振で静かにするようにと微笑んだ。
「・・・・・・・・・・・・・、アキラ・・・・・・・・・・・・・・」
耳元でパーナが囁くがアキラにはチャアも寝ているせいか名前の部分だけが分かった。
「パーナ」
アキラはそう呟くとパーナを抱きしめ二人の初めての夜が更けてゆく・・・・・。
朝、目が覚めるとパーナの姿はなく、ただパーナの甘い残り香だけが残っていた。
「夢じゃないみたいだよな・・」
そう呟き、いつもの朝の鍛錬の時間がとうに過ぎている時間だとを感じとっていた。
「チャア、おはよう」
止まり木に座っているチャアの姿を目にして思わず声をかける。
「おはよう、良かったねアキュラ」
チャアは嬉しそうにそう答えた。
その様子にアキラは一気に顔を真っ赤にした。
「見てたのか?」
「・・途中から、目が釘付けになちゃいました」
チャアの言葉にアキラは更に顔を赤らめる。
「チャア・・」
アキラが弱っていると、部屋を叩く音が聞こえ外から従者が声をかける。
「パーナ女王が朝食をお誘いされております、準備をお願いいたします」
アキラに変わってチャアが答える。
「分かりました、すぐに準備してまいります」
そう答えると、再びアキラへと振り向くと楽しそうに笑った。
パーナの執務室の前には護衛として何故かキラとトロフの姿が有った。
「おはようございます、何で二人が直々に部屋の警護を・・」
「おはようございます聖戦士殿、昨晩はお疲れではあったと思いますが今朝は女王の重大案件が有ると聞き警護に当たっております」
そう真顔で答えるトロフにアキラは何かやらかしてしまっているのでは感じながら扉を叩き声を出す。
「アキラ、入ります」
扉の向こうには、これまで見た事のないような幸せな顔をしてアキラを見つめるパーナの姿が有った。
次話もどうかよろしくお願いします。
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