古の戒律により呪縛されし王都「ウロポロ」(7)
更新いたしました。
「一言よろしいか、確かに素晴らしい風格を持ったゴーレムとは思いますが、その力を実際に何かお示しいただけないでしょうか?」
年老いた白髪の神官長がパーナ女王に確認を取るべく意見を出す。
「そうですね、例えばシャトルーズで自らの異世界の地形とこの世界の地形がほぼ同じである事を目視して確認したとの話を聞いています。異世界の科学という名の魔法で地図としてではなく実際に月を見る様に上昇して観測できているそうです、それと同じことをシャトルーズで行ったというのです」
「では、その様に高く迄、舞い上がれると・・」
「アル、チャアにできるだけ可能な限り上昇するようにと、その後はここに戻ってくるよう念話で知らせて」
「わかった」
アルが元気よく返事をした。
「それから、偵察隊の遠視の魔法を使えるものをこちらに呼び出してください」
パーナが指示を出す。
上空で光るシャトルーズが高速で上昇し始める、人々はその速さに感嘆の声を上げ始めていた。
光る点となって上昇していくシャトルーズ、遠視の魔法を使っている部隊長が驚きの声を上げる。
「既に南部の国境にそびえたつ山脈の五倍以上の高さに達しています」
もはや肉眼で見えなくなりつつあるシャトルーズを見上げる謁見会場の人々はその報告を聞き一斉に様々な声を上げる。
「キラ殿、我が国のゴーレムは国境の山々を超えることは難しく迂回していると聞くが」
軍の飛行ユニットの管理整備を任されているドワーフの男が更に声をあげ質問する。
「その通りだ、部隊全てのゴーレムで超えていくには危機管理の面で行っていない」
「限界に近いという事ですか?」
「そうだ、個体差も有るのでその様にしている」
「では、あれは何なのですか?」
「特殊固体としか言いようがないな」
トロフも口を出す。
「あれについて行こうとするには、「ビル」単体での運用位しか方法が無いと思う」
そのやり取りを聞いて会場が更にざわついていくが、人々が騒いでいるうちにシャトルーズは中庭へと着陸していた・・。
「えっ」
アキラがシャトルーズを降りるとひときわ高い歓声に覆いつくされた。
アキラが戸惑っていると、トロフが声を上げる。
「皆の者、沈まれ」
そして、アキラを見つめながらパーナ女王が宣言をする。
「シャトルーズ及びそのシャトルーズに搭乗するアキラを「なぁの国」は聖戦士と認定する、意義ある者はいるか」
その宣言に皆は口口に答える。
「異議なし」
ここに、おそらく数千年ぶりとなるであろう「聖戦士」が誕生した。
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