古の戒律により呪縛されし王都「ウロポロ」(6)
更新いたしました。
王宮中庭に設けられた臨時の謁見会場、そこには大勢の王宮の役人、神官、そして貴族達、更に護衛の王宮兵士達が彼らを取り囲む様に配置されていた。
「良く参られた「ぜら・あな」商会に所属する異世界より召喚させられし戦士「アキラ」よ」
良く通る澄んだ声でパーナ女王が御声がけを発した。
「今日はこのような場を設けて頂き、大変恐縮しております」
中庭の中央で膝をつきアキラは台本通りの返事で答えた。
「本日はそなたのゴーレムの皆へのお披露目の場となる、早速だがゴーレムを召喚し搭乗されよ」
キラが口上を述べる。
アキラとチャアは一礼してシャトルーズを呼び出す。
「おお」
会場にどよめきが走り、アキラとチャアがシャトルーズに乗り込む。
そして、翅を広げ静かにゆっくりと舞い上がる・・、やがて少しずつ翅がシャトルーズイエローに発光し始め広場の上空で停止する。
「ふぅ、緊張したな~」
アキラが思わず声を出すと。
「式典って、私も実は苦手・・」
「チャアでもか・・、多分今頃はトロフさんやキラさんが皆にシャトルーズの事を説明しているんだろうな、きっと大変なんだろうけどうまく説明してくれてるのかな・・」
「多分、あの二人はいつも苦労させられている様な気がしますね・・、私達の更に上空には女王の直属部隊が警護しているみたいですね」
アキラが見上げるとこの前女王の護衛をしていたゴーレム達の姿が有った。
「街の人達もびっくりしているんだろうな~」
「きっと、「ぜら・あな」商会の人達も見てくれていると思いますよ」
「あ、飛んでるとこ見てみたいって言ってたもんな・・」
ゆっくり回転しながら「ぜら・あな」商会の方向を向いてみたり、していると「アル」から念話が入った。
「一気に可能な限り上昇して戻ってきてって」
チャアがアキラにその事を伝えると、シャトルーズを上昇させる。
「今、地形の事、黒い大洋や「ランディア」の話をしているのかな?」
アキラが尋ねると。
「多分、シャトルーズの上昇能力の信憑性の話になっているじゃないですか?」
チャアもアルがあまり説明があまり上手くできない子だから仕方がないと思いあやふやに答えた。
「下から見えているのかな?」
「偵察に特化した魔法を使う人がいるなら大丈夫だと思うけど・・」
「もう地球が丸みを帯びているのが解る位上昇しているけどまだ上昇する?」
「この辺は、もうほとんど空気が無いですから・・、そろそろ下降しましょうか」
「流石にもういいだろう・・降りよう」
「はい」
二人が吞気に会話をしている時、会場では大騒ぎとなっていた・・。
次話もどうかよろしくお願いします。
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